東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は29日、315名分の腸内細菌叢データの分譲を開始すると発表した。同事業により、全国にある腸内細菌叢データの利活用が促され、マイクロバイオーム研究に基づく食による健康維持を目標とした研究の飛躍的な前進を期待している。
腸内細菌叢データは、主に宮城県に在住する20~80代の男性104名、女性211名のもの。解析されている815種類の腸内細菌数とその存在割合、便の性状を調査したデータも提供するとしている。
データの利用は、東北大学や岩手医科大学が実施主体となっている東北メディカル・メガバンク計画に、研究計画やデータの使用目的などの審査を受け、分譲契約を結ぶことで可能となる。
1件あたりの基本料は概算として、事前申請にかかる経費1万300円と試料・情報分譲にかかる経費1万1600円を合わせた2万1900円になる。
このデータを活用した研究論文を発表した場合、分譲先のものとして扱い、知財や特許にも関与しないという。
このほか、ToMMoが既に収集している、コホート研究による生活習慣・食習慣等の環境情報をはじめ、検体検査情報等のデータ、ゲノムやオミックスの各種解析情報などと合わせた分析も行えるとしている。