9000人の腸内データを提供 健食・食品業界に親和性 サイキンソー(2023.1.26)
サイキンソー(東京都渋谷区)は、これまで行ってきた研究支援サービス「Cykinso Research」のオプションとして試験的に実施していた9147人分の腸内細菌叢の匿名加工情報の提供を、今月20日から正式に開始した。同社はこれまでに7万人以上の腸内細菌叢情報を蓄積しており、今後も匿名加工を進め、提供データを増やしていく予定だという。
研究支援サービスCykinso Researchは、これまで80を超える大学や研究機関、企業から研究・解析を受託し、細菌叢と疾患の研究や食品の高付加価値化試験などのサポートを行ってきた。今後は研究機関や企業の開発部門など産学を問わず幅広い業界での活用を想定。同社は特に健康食品などのヘルスケア・食品・医学分野に親和性が高いのではないかとしている。
同社の9147人分の腸内細菌叢データは健常者のデータ。これまで試験的に実施していた匿名加工情報のデータ分譲サービスは、すでに血液腫瘍や脳神経疾患といった様々な領域で活用され、複数の論文発表に貢献してきた。今回から本格的に始まるデータ分譲サービスでは、性別や年齢、生活習慣にマッチングしたデータの提供にも対応。疾病患者との比較解析用データとしての利用や年齢別の食生活習慣の把握などに利用できる。
同社担当者は「新たに健康食品や一般食品の機能性表示届出を行うためのエビデンス作りや食品の付加価値を上げるためのデータとして利用していただきたい」と語っている。