機能性表示食品市場 5462億円に 22年見込み 脂肪対策、ストレス緩和が市場けん引 富士経調べ(2023.3.6)
保健機能食品のうち、機能性表示食品はここ数年で市場が拡大し、特定保健用食品は2018年以降、市場の縮小が進んでいる――。そんな調査結果を、マーケティング市場調査の富士経済が3日発表した。22年度(見込み)の機能性表示食品の市場規模は前年比24.0%増の5462億円と試算した。特に脂肪に関するヘルスクレームのシェアが高く、全体の市場規模の半分以上の3224億円にのぼるとした。
商品形態別にみた機能性表示食品の市場規模は、サプリメントが2131億円、ドリンク類が2983億円、明らか食品が349億円。
ヘルスクレーム別にみると、生活習慣病やダイエットに関連する脂肪への需要が旺盛で、全体の市場をけん引したと分析。特に脂肪に関わるヘルスクレームは大型ブランドが参入し市場拡大に貢献。脂肪に関するヘルスクレームだけで市場規模は同17.3%増の3224億円と試算した。
また、現代社会の悩みを反映してストレス緩和や睡眠、認知などを訴求した商品も伸長。22年は複数のヘルスクレームを組み合わせたマルチヘルスクレームによる差別化にも注目が集まったことで需要開拓の幅が広がった。市場規模は同84.4%増の557億円。
商品形態別の概況は、サプリメントはメーカーの注力度が機能性表示食品に集中しているとし、ドリンク類は大型ブランドのリニューアルや新商品の投入が活発。明らか食品の規模は全体の10%未満にとどまるが、シリアルフーズやヨーグルトなどの新商品もあり伸長していると分析している。
一方の特定保健用食品の市場規模は、同6%減の2860億円と試算。18年に前年を下回って以降、市場縮小が続いている。機能性表示食品の制度開始後は、特定保健用食品に注力する企業が減少し、既存商品の機能性表示食品への切り替えが進んでいるとしている。