キリン、腸内細菌検査事業を開始 米国ソーン社の解析技術を活用(2023.7.20)
キリンホールディングス(東京都中野区)が腸内細菌検査事業を18日から開始した。腸内細菌を菌株レベルまで精緻に解析する「ショットガンメタゲノム解析」を用いた検査サービスで、まずは国内の医療機関約60施設を通じて行う。
検査サービス「マイクロバイオミー」は、2018年から出資する米国ソーンヘルステック社が持つ高精度解析技術を用いる。キリンによると、従来の解析手法と比べ、「腸内細菌をさらに細かい種や株レベルまで把握し、腸内細菌が持つビタミンや短鎖脂肪酸の産生機能まで明らかにできる」としている。
同検査サービスは、腸内細菌検査キットを取扱い医療機関で申し込む。その医療機関で検査キットを受け取った後に、自宅で排便した検体をキリンに送り、キリンがその検体を米国ソーン社に輸送して解析を進める。検査結果は、キリンが検体を受け取ってから約6~9週間で医療機関に送り、担当医から詳細なサポートの説明と、腸内環境改善に向けた適切なアドバイスを医師から受けることができる。
同社調査によると、腸内環境を整えるために日常的に何かを実施する人は93%いる一方で、普段の腸内環境の状況を「とても良い」と回答した人は5.6%にとどまるとし、大半が満足する結果が得られていないという。