73件が「科学的根拠ある」と主張 機能性表示食品の疑義問題 88件中15件が撤回(2023.7.27)
先月30日の措置命令で対象となった商品と同一の機能性関与成分、同一の科学的根拠の届出88件の機能性表示食品を届け出ている届出者に対し、合理的な科学的根拠資料の提出を求めていた消費者庁は26日、現時点での回答結果の概要を公表した。回答を求めた企業すべてから回答を得て、当該商品の「撤回」は15件、「科学的根拠がある等の主張」をして撤回しない商品は73件だったとし、その73件の届出者名などを含む届出情報を公開している。
「機能性表示食品に対する景品表示法に基づく措置命令を踏まえた食品表示法の対応について(情報提供)」と題して消費者庁が発表した資料によると、届出88件のうち「DHA・EPA」は31件、「モノグルコシルヘスペリジン」は10件、「オリーブ由来ヒドロキシチロソール」は43件、「モノグルコシルヘスペリジン/オリーブ由来ヒドロキシチロソール」は4件で、科学的根拠があると回答した件数はそれぞれ、22件、10件、37件、4件だった(DHA・EPAについては500mgの含有量以下を定性事項にしている)。「撤回」したのは、DHA・EPAの9件、オリーブ由来ヒドロキシチロソールの6件のみだった(図表参照)。
同日行った定例記者会見の場で新井ゆたか消費者庁長官は、機能性表示食品として疑義が生じて届出を撤回しなかった73件の商品に対し、「安全性に問題があるものではない」としつつ、今後の対応として、問題としている科学的根拠の有無などについて、関係法令に基づき適切に対処していく考えを示した。