ファンケル サプリ事業が2ケタ増 23年中間決算 214億円計上 インバウンドは10億円に回復(2023.11.2)


 ファンケル(横浜市中区)のサプリメント事業が回復基調にある。2日発表した2024年3月期第2四半期のサプリメント事業の売上高は、対前年比13.4%増の213億9400万円、セグメント利益は同109.2%増の29億3800万円の増収増益だった。この3年で低調だったインバウンド売上も大きく回復し、前年同期の4000万円から10.9億円に拡大した。

 サプリメント事業の概況は、広告を強化した機能性表示食品「大人のカロリミット」や、「年代別サプリメント」が好調に推移したことに加え、中国向け越境ECが伸びたことが増収に寄与した。販売チャネルは総じて前年を上回った。通販は同7.1%増、店舗販売は同29.3%増、ドラッグストアなど一般流通を含めた卸販売は同11.0%増、海外は同10.4%増だった。利益面では、増収による売上総利益の増加に加え、効率的な広告宣伝費などの経費投下によって大幅な増益となった。

 同日発表した決算説明資料によると、サプリメント事業では定期購入による売上基盤が安定した。①初回から最大15%OFF②変更・中止いつでもOK③送料無料といった特徴を持つ「ファンケル定期便」は、自社通販売上に占める割合が前年の64%から71%に上昇した。

 今年下期(23年10月~24年3月)は、次期スター製品の育成とカロリミットブランドの拡大を進める。次期スター製品の育成では、機能性表示食品「コレステサポート」の売上規模を10億円に引き上げる。北海道・東北などエリア限定でテレビCMを中心にプロモーションを展開する。

 中国事業では、ファンケルが主体的に展開できるスキームに切り替わることでの売上拡大を図る。中国における販売ではこれまでの国薬国際が独占的に展開する契約を見直し、既存製品は国薬国際がこれまで同様に独占販売権を持つが、新製品などについてはファンケル独自の事業展開を可能とさせる。他企業との取組みや、中長期視点でのブランディングや商品育成をファンケル主導で進めることで事業拡大を目指す。

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