明治HD、NMNの研究を深耕 高齢者の歩行維持を確認 子どもの成長・発達にも(2024.6.24)


 明治ホールディングス(東京都中央区)が、抗老化物質として注目を集めるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の研究を深耕している。21日、NMNの長期摂取が高齢者の歩行速度を維持し、睡眠の質を改善することの研究成果が国際学術誌に掲載されたと発表した。明治は今年1月、母乳に含まれるNMNが、子どもの精神発達に係る重要な栄養成分だとする研究も発表しており、NMN摂取が健康に関わる有用成分とする成果を積み上げている。

 今回の研究では、高齢者がNMNを摂取することで血中におけるエネルギー代謝などに関わるニコチンアミドアデニンヌクレオチド(NAD+)濃度と身体機能、歩行速度への影響を評価し、睡眠とストレスの評価は副次的評価項目として実施した。65~75歳の男女70人を対象に125mgのNMNを含むカプセルを1日2粒摂取させた。試験はランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較法。

 その結果、NMN摂取群はプラセボ群と比較して4mの歩行時間が有意に低値となったほか、血中NAD+とその代謝物の濃度も有意に高値となった。また、睡眠の質などを評価するピッツバーグ睡眠質問票では、「日中の眠気」と「総合得点」のスコアが有意に低値となるなど、NMNの摂取が歩行速度を維持し、健康寿命の延長に貢献する可能性が考えられるとした。

 今年1月の発表では、母乳中に含まれるビタミンのナイアシンとその関連物質を定量したところ、NMNが最も多く含まれていると報告。また、母乳中のナイアシン関連物質のなかで、NMNが子どもの精神神経発達指数と関連することも明らかにするなど、乳幼児における「良い成長・発達に役立つ知見」だとしている。

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