小林製薬 紅麹事業から撤退表明 山根社長「事業を継続して許されるのかと考えた」(2024.8.8)


 小林製薬(大阪市中央区)が紅麹事業から撤退する。8日開催の取締役会で決めた。事業撤退完了日は未定。

 発表によると、撤退の理由として、「重大な健康被害を引き起こし、社会にご迷惑をお掛けしていること等を踏まえ、2024年8月8日開催の取締役会において、本事業撤退を決議いたしました。なお、本事業撤退後におきましても、引き続き、被害に遭われたお客様及び取引先様への補償、原因究明等の対応は進めてまいります。また、紅麹関連製品に係る製造ラインの問題点を全て洗い出し、再発防止策を講じることが企業としての使命であると判断し、これらについても継続して実施してまいります」としている。

 同日開いた2024年12月期第2四半期の決算発表の記者会見で、事業撤退の理由について質問された山根聡社長は、「事業を継続して許されるのかと考えた。また、我々としてやりぬく力はあるのだろうかと。急遽撤退することは関係者にご迷惑をかけることになるが、冷静に考えて速やかに決断するべきだと考えた」と理由を語った。

サプリ通販売上、約3割のマイナス
 同日発表した24年12月期第2四半期の連結業績のうち、サプリメントを中心とする通販事業の売上高は対前年比28.7%減の27億3500万円だった。定期購入の解約が増えたことが影響した。また、ドラッグストアなど店頭で販売するサプリメントについても苦戦した。紅麹関連製品の自主回収を発表した今年3月22日以降、国内においては全製品の広告を停止しており、好調だった日用品の売上減少にも影響した。

 また、同第2四半期会計期間において、紅麹関連製品の回収などに伴う特別損失として上期計(1~6月)79億円を計上した。

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