フェムケア市場規模は368億円と試算 前年比1%増 健食やOTCなどインナーケアで TPC調査(2024.10.17)
市場調査会社のTPCマーケティングは11日、女性特有の悩みを解決するフェムケア市場について、2023年の市場規模が前年比0.8%増の368億円とする調査結果を発表した。女性の健康問題の顕在化、PMSや更年期の認知・対策意識が高まったことなどを背景に、今後は年平均1.6%のペースで成長し、2030年には410億円規模まで拡大すると予測した。
同調査は今年9月から10月にかけて実施。PMS・月経トラブル、妊活・産前産後、更年期の女性サポートを目的とする健康食品、OTC医薬品・医薬部外品、一般食品・飲料といったインナーケアを対象とした。
訴求別にみると、市場全体の4割強を占める更年期向けでは、大豆イソフラボン(エクオール含む)含有の健康食品や、更年期の不調に対応したOTC医薬品が市場をけん引。前年比で1.6%増となった。PMS・月経トラブルでは、22年に明治がサプリメントを上市し、24年にはアサヒグループ食品が月経に関する機能性を訴求した機能性表示食品を投入するなど、大手食品メーカーからの新規参入が相次ぎ、前年比2.6%増で推移した。一方、妊活・産前産後向けは前年比1.8%減とマイナス成長。通販を中心に葉酸サプリを展開する企業間での競争が激化しているという。
今後は、更年期、PMS・月経トラブルの市場成長が続くと予測。葉酸や大豆イソフラボンに続く商品の開発、バラエティショップ、医療機関、健康経営を推進する法人ルートなどへの販路拡大によって、健康食品の市場拡大が進む傾向にあると分析。一般食品・飲料分野では、商品数が少なく市場が小規模の傾向にあるが、今後参入企業の増加やカテゴリーの多様化が進むことで30年には大幅な市場成長が期待できるとした。