神経性疾患改善など報告 日本ポリフェノール学会大会(2013.8.8)


 日本ポリフェノール学会(板倉弘重理事長)は5日、第7回年次大会(矢ヶ崎一三会頭・東京農工大学名誉教授)を東京・府中の東京農工大で開催した。当日は、ポリフェノールと動脈硬化に関する最新動向などを報告するとともに、来年9月に名古屋で開催される国際ポリフェノール会議につながる内容で企画・構成した。

 「地中海食薬資源由来ポリフェノールの機能性」と題した特別講演で登壇した礒田博子氏(筑波大学生命環境系/北アフリカ研究センター長)は、同大学とチュニジア・モロッコ・フランスの大学・研究機関と生物多様性条約に則った包括協定を締結する関係から、地中海圏における890種に及ぶ植物・菌類、伝承薬効情報などをデータベース化、生活習慣病予防や免疫機能調節、神経機能調節など33種類のバイオアッセイシステムを確立し、その研究成果を披露した。その中で、神経変性疾患のアルツハイマー病やパーキンソン病は、酸化ストレスが原因で発症する共通性があると言及。その酸化ストレスを緩和する成分としてカフェオイルキナ酸を取り上げ、老化促進モデルマウスを使った実験で学習記憶改善作用を確認、同成分にはアミロイドβによる神経細胞死から細胞を保護する機能性があるとした。また同成分を多く含むムラサキイモや、セロトニン、ドーパミンを脳内で増加を促すローズマリーの有用性データを報告した。

 そのほか一般講演では、ケルセチンによるリポタンパク質代謝関連遺伝子の発現制御や、コーヒーポリフェノール摂取による紫外線シミの面積拡大抑制、レスベラトロールの抗アレルギー作用などが報告された。

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