発酵セラミド積極提案へ まずは化粧品 東洋新薬(2014.4.10)
㈱東洋新薬(福岡市博多区)が焼酎の製造に使う白麹菌から得たグルコシルセラミドを含む美容素材「発酵セラミド」の積極提案を始める。産業振興に関する連携協定を締結した佐賀県との間で進めている県内産学官連携事業創出の取り組みに伴うもので、佐賀大学の協力を受けて開発した同社の独自素材となる。まずは機能性化粧品用原料として活用し、将来的には美容食品素材としての応用を目指す。
グルコシルセラミドは経口摂取、塗布の両方で肌の保湿に働くことが知られる成分。セラミドは皮膚表皮の角質層に多く含まれている。佐賀大学内に設置されている「麹セラミド研究所」の北垣浩志所長(同大農学部准教授)らと同社が共同実施した発酵セラミドの機能性研究では、皮膚バリア機能改善作用を持つことが示唆され、日本薬学会第134年会で同社が発表した。
発表によれば、発酵セラミドを3次元培養表皮モデルに添加し培養したところ、同モデルに含まれるセラミド量の増加が確認されたほか、皮膚バリア機能にかかわる各種遺伝子の発現量亢進が認められたという。
同社と佐賀県が連携した新規素材研究・開発としては、これまでに県特有かんきつ類「ゲンコウ」を活用した果皮抽出エキスの育毛作用があり、㈱アートネイチャーがヘアケア製品に配合した。