脳機能、運動への影響を評価へ 日本食の研究戦略案(2014.4.10)


 農林水産省は3月31日、日本食の評価に向けた研究戦略案をまとめた。同省は2014年度から3年間をかけて、医学的、栄養学的な見地からの日本食の評価を進める計画で、同戦略は研究機関の公募を行う際の基礎資料となる。

 日本食は欧米食よりも健康の維持や増進効果が高いとされるが、同じく健康的な食事とされる地中海食に比べエビデンスが不足しており、実際に生活習慣や疾病リスクにどのような影響があるのか科学的な取組が足りない。

 案では、日本食のエビデンスの蓄積を進め、後世に記録として残すことや国際的に発信していくことを研究目的に挙げたほか、我が国の優れた食事パターンの評価を通じて、食生活を見直す契機にするとした。

 また、日本食の特徴としては、主食・主菜・副菜のバランスの良さや、大豆食品、発酵・醸造食品、だしの使用を挙げた。特にだしについては、グルタミン酸などの味覚が神経系に作用し、消化関連臓器の活性化を高めたり、高齢者の食欲、消化吸収の増進に効果を有しているとの報告があるとしている。

 具体的な研究としては、日本型の食事パターン、ストレスや脳機能に与える影響、運動機能に与える影響などに区分してそれぞれ評価研究を進める。

 同案は今月後半に開催される同省検討会で最終的なとりまとめが行われる見通し。

Clip to Evernote

ページトップ