12年度の健食市場7091億円 矢野経済調べ(2014.4.24)
矢野経済研究所は、2012年度の健康食品市場規模(メーカー出荷金額ベース)が前年度比100.5%の7091億円だったとの調査結果を発表した。13年度は同100.3%の7113億円を見込む。
12年度は同101.6%の2800億円に達した通信販売が全体をけん引。一方で訪問販売は同98.3%の2478億円と縮小傾向だった。ドラッグストアなど薬系チャネルは同102.2%の930億円に達した。健康食品やその関連商品をまとめて提案する「ワンストップショッピング」に注力し、売り場提案力を強化している。スーパーやコンビニエンスストアなどの食品系チャネルは同102.0%の258億円。コンビニで肝機能改善や美容などを訴求したドリンク剤の売場が定着してきている。
素材別動向は青汁が同102.5%の529億3000万円、グルコサミンは同109.4%の464億円と拡大傾向。美容系素材のプラセンタは同129.6%の170億円、酵素は同123.8%の248億円で、ともに通信販売で急拡大。スッポンは女性層開拓が奏功し107.2%の96億4500万円だった。
今後も高齢化や消費者の健康への関心の高まりを背景に堅調な推移を予測する一方、通信販売チャネルを中心に新規参入がみられるなど、競合が激しさを増し、健康食品を取り巻く事業環境は厳しい状況にあると分析。また、消費者庁で議論されている機能性表示制度は、健康食品全体の活性化や個別商品の差別化につながると期待する声があると紹介している。