米国産大麦若葉末問題 有機品でも疑い強く(2014.5.8)
今年3月までの1年間に米国から輸入された大麦若葉エキス末19.8㌧について、輸入元のグリーンバイオアクティブに対し、東京・港区が自主回収を行政指導している問題で、同区は2日、回収が進んでいないことを理由に、指導から命令に切り替えた。また、回収対象ではない有機品に関しても放射線照射されていた可能性の高いことが判明したため、その輸入数量や販売先などを調べ始めている。
回収が進まない理由について、みなと保健所生活衛生課によるとグリーン社は販売先をまわるなどして回収を進めようとしているものの「会社規模が小さく、混乱もしている」という。また、最終製品化され市場流通しているものもあり、その取扱いを巡って同社と販売元などとの間で調整が難航している場合もある模様だ。区が回収を命令している19.8㌧のうち在庫は300㌔㌘。
一方で今後、回収対象数量が拡大される可能性が出てきた。グリーン社が米国から輸入していた大麦若葉エキス末には有機品と非有機品の2種類があり、同区は現在、非有機品のみを回収対象としている。しかし、有機品配合最終製品の販売会社が、第三者検査機関を通じて自主的に照射の有無を分析した結果、照射を検知。これを受け、同区では現在、有機品に関しても照射の事実や流通実態などについて調査を進めている。
同区によれば、現時点の回収対象原料を配合して製造された最終製品は3日現在で6製品にのぼり、いずれも自主回収が進められている。安全性に問題はないと考えられるものの、回収の動きは今後さらに広がらざるを得ないとみられる。