消費者庁案に懸念表明 トクホ土台から脱却求める(2014.5.8)

AIFN

 国際栄養食品協会(AFN)と在日米国商工会議所(ACCJ)が消費者庁「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の方向性に対し、米国制度と大きく異なるなどとして問題提起している。

 4月24日、共同主催による「日本の法規制公開シンポジウム」を都内で開催したのに併せて記者会見を開き、それまでに計4回開催された同検討会の中で消費者庁が示した新制度の方向性は特定保健用食品が土台にされていると指摘。特に同庁がトクホ用語とも云える「関与成分」を持ち出し、機能性を表示するにはそれが明らかにされている必要があるとの見解を示している点に強い懸念を露わにした。

 会見の中で在日米国商工会議所サプリメント委員会委員長も務める天ケ瀬晴信・AIFN副理事長は、「ユニークな抽出物であれ同一のものを毎回製造出来るようにしっかり管理していれば、関与成分が分かっていなくても(品質)管理できる」と主張。また、「関与成分が明らかでなければ機能表示してならないとは米国では言ってない」とも述べ、新表示制度の方向性を閣議決定に基づく内容に軌道修正するよう同庁に求めた格好だ。

 また会見では、AIFNがまとめた「健康食品の機能性表示に関する提言」も発表。閣議決定に基づき現在販売されている健康食品の機能性表示を可能にするために①特定保健用食品をはじめとする従来の厳格な制度からの脱却②高い自由度を保つ③産業育成に叶う制度を構築するべきだとしたほか、「国際的レベルの安全性と品質を確保し消費者が安心して使えるようにする」「企業は科学的根拠に基づいた機能性の裏付けを採る」ことも盛り込んだ。

 会見には、同検討会委員の宮島和美・日本通信販売協会理事と関口洋一・健康食品産業協議会理事長のほか、マイケル・マクガフィン米国ハーブ製品協会会長、ノエ・ガルバン米国栄養評議会(CRN)上級科学委員会委員も出席し、「お客様から見たときにシンプルで分かりやすいものでなくてはならない」(宮島理事)、「機能性と安全性の両方が重要。米国では市販後の重篤な有害作用の報告制度が管理されており、暴走や行き過ぎを食い止めている。日本もそれを考えるべき」(マクガフィン会長)など、新表示制度に対する考えをそれぞれ述べた。

 また、オバマ大統領来日のため欠席した米国大使館商務部スティーブン・アンダーソン氏からのメッセージが代読され、「一つの成分にこだわった従来のトクホ制度から、科学的根拠に基づき複合成分の健康食品としての機能性を分かりやすく表示することは、多くの食品の機能性を消費者が知ることになる」などとして、新表示制度で機能性表示できるものを限定的にするべきではないとする、米国大使館の意向が伝えられた。

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