【素材探訪】E型に関心、米販社大手も(2013.6.20)
コンドロイチン硫酸にも「型」がある。サメに多く含まれるのは主にC型で、ブタならA型。以前から知られていたことではあるが、コラーゲンとは異なり、型の違いで差別化しようという動きはほとんどなかった。
その流れは現在でもあまり変わらないといえるが、ここ2~3年で前面に出てきた型が唯一あるのは周知の通り。イカに多いE型である。
「『E型』コンドロイチンを配合」したとして型へのこだわりを消費者に訴えているのは、通販専用商品に採用したロッテ健康産業はじめ、ドラッグストアを主要販路とする「黒サプリ」「白サプリ」のエヌ・アール・シーなど。まだまだ限定的といえるが、こうした動きは今後、海外市場にまで広がりそうな兆しも見られる。
米サプリメント販売最大手がE型コンドロイチンを採用し、配合製品を近く発売する見通しとなっている。ほかにも大手数社が動いており、米国全体で初年度8㌧の受注に拡大しそうだと、原料供給する研光通商が弊紙取材で明らかにした。
関節プラス骨・筋肉
コンドロイチンといえば関節に良いことが知られる。一方、研光通商や委託製造先のハイドロックスが訴えている機能性はそれだけではない。ロコモティブシンドローム予防にかかわる骨密度強化や筋肉増強をはじめ、皮膚、つめ、毛髪の改善といった美容、さらには男性機能にまでも良いとしている。
研光通商によると、こうした多様な機能性がある最大の理由は、男性ホルモンの一種、テストステロンの分泌促進作用があるからだ。
テストステロン増加が鍵
同社やハイドロックスでは、これまでの研究でE型コンドロイチンを含むイカ軟骨抽出物には骨の形成に関わるタンパク質のBMPやOCN(オステオカルシン)の産生促進作用のあることを明らかにしている。
このうちOCNについては「テストステロンを増加させると報告されており、実際、その増加作用がE型コンドロイチンにもあることが確認できた」と研光通商では話す。また、「テストステロンは筋肉増強や精力向上をはじめ毛髪の成長などに関与することが知られている。テストストロンにせよ、OCNにせよ、これらの増加作用はほかの型では確認されていない」とも強調。それが認められたからこそ米販社最大手は採用したと同社では見ている。
「抗ロコモで最も有望」
ほかに、ヒトでの有効性を示す知見があったことも大きいかも知れない。膝の痛み緩和と骨密度増加作用については日本人と米国人を被験者にした二重盲検臨床試験でそれぞれ確認されている。当初は日本人のみで試験を実施していたが、海外市場への拡販を狙い、米国人でも実施した。筋肉増強や毛髪改善作用についても、モニター試験ではあるが、それぞれ効果が確認されている。
研光通商ではE型コンドロイチンの拡販にかなりの自信を見せている。「抗ロコモには骨と筋肉の強化が最も重要になる。ならばE型コンドロイチンは抗ロコモで最も有望な素材。ほかの機能もあわせれば、〝元気〟を切り口に男女問わずに提案できる」
E型コンドロイチン含有イカ軟骨抽出物=供給元・研光通商㈱▽原材料・イカ頭部軟骨▽規格成分・総コンドロイチン60%以上うちE型40%以上、Ⅱ型コラーゲン20%以上▽1日当たり推奨摂取量・150m~300mg