糖尿病で腸内細菌叢が変化 ヤクルト本社と順天堂大(2014.6.26)
㈱ヤクルト本社(東京都港区)は、順天堂大学大学院医学研究科・代謝内分泌内科学の佐藤淳子医師らとの腸内フローラ自動解析システム(YIF‐SCAN)を使った調査により、日本人の2型糖尿病患者では腸内フローラのバランスが変化していること、腸内細菌が血流中へ移行しやすいことを確認した。さらに、この成果はアメリカの学術誌「Diabetes Care」のオンライン版に5月13日に掲載されたという。ヤクルト本社が11日発表した。
この調査では、2型糖尿病患者50名と罹患していない50名の腸内フローラを比較するとともに、生活習慣病に伴う様々な炎症症状の一因となる腸内細菌の血流中への移行についてYIF‐SCANで解析した。
糞便による腸内フローラの解析では、同患者群は対照群と比べて腸内細菌数に大きな違いは無かったが、クロストリジウムコッコイデス、アトポビウムクラスター、プレボテラといった菌の割合が少なかった。また、血液中の腸内細菌を解析したところ、対照群は50名中2名で腸内細菌が検出されたのに対し、同患者群では14名で検出された。
2型糖尿病に関連する炎症は体の様々な部位に悪影響を及ぼす可能性があるという。
同社では、腸内細菌が炎症に関与することが分かれば、腸内環境改善により防ぐことができるとして、今後も2型糖尿病と腸内環境の関連について研究を進めるとしている。