新制度向け素材売り込む 龍泉堂(2014.7.10)


 サプリメントなど食品の機能性表示制度を機に、取り扱い原料の拡販を図ろうと、㈱龍泉堂(東京都豊島区)が独自原料の配合を促す提案営業に力を入れ始めた。中小企業でも新制度に対応しやすいことを売りに、機能性・安全性ともにデータの揃った素材をアピールしている。

 特に強く提案しているのは、鶏胸軟骨が原材料の非変性Ⅱ型コラーゲンと、パン酵母由来グルコポリサッカライド(β‐1.3/1.6グルカン)の2素材。変形性関節症の症状緩和作用がヒト臨床試験で確認されている前者については、データ拡充の目的で、関節炎と診断されていない健常人を被験者にした臨床試験を新規で始めた。

 いずれも査読付き学術誌に論文が多く掲載されており、機能性、安全性ともに、これまでに示された機能性表示制度案に沿えるものと同社では見る。

 特にグルコポリサッカライドは、世界標準の測定方法が存在するほか、自然免疫活性作用とそのメカニズム研究論文が「ネイチャー」に掲載された実績も踏まえ、「(新表示制度案は)非常に厳しい内容だと思うが、十二分に対応できる」と同社では話している。

 非変性Ⅱ型コラーゲン「UC‐Ⅱ」は、2006年の供給開始以来多くの採用実績を挙げてきた。一方、グルコポリサッカライド「ウェルミューン」は12年に始めたばかり。「UC‐Ⅱ」と比べると日本での採用件数は少ない。そのため、「これから半年かけて提案に注力し、新制度スタートを機に動きを一気に加速させる」狙いだ。

 同社が「ウェルミューン」の配合を促す食品分野は、サプリメントはもとより一般食品も。免疫活性という機能特性、アプリケーションを問わない物性、また米国でGRAS認証を取得している点からも、ヨーグルトなど乳製品やエナジー飲料への添加を強く訴えている。

 「ウェルミューン」の機能性表示として同社が想定しているのは、「自然免疫」や「疲労」に対する機能。これまでに掲載された約10報の論文では、インフルエンザ、風邪、花粉症の予防・改善作用のほか、免疫低下に伴う肉体疲労やストレス軽減作用が報告されている。また、日本健康・栄養食品協会が実施したパン酵母由来βグルカンの機能性評価で、自然免疫活性化機能の評価対象となったRCT試験論文7報すべてが「ウェルミューン」を用いたものだった。

Clip to Evernote

ページトップ