検討案件にトクホ表示も 消費者委の食品WG(2014.7.10)


 消費者委員会の食品ワーキンググループ(WG)は、今後の検討課題に特定保健用食品(トクホ)を加えることを決めた。まずは問題整理から始める。同委の新開発食品調査部会からトクホ制度の運用について問題提起が同委にあり、6月24日の委員間打ち合わせで同WGで取り上げるよう要請があったという。

 同WGはトランス脂肪酸の表示義務化を求める委員などの要請を受けるかたちで、主に「食品の安全・表示等について検討する」ことを目的に設置された組織。有識者を招いて意見を聞きつつ集中的に検討を行い、結果を同委に報告する。

 トクホ制度のどのような問題を取り上げるかは明かさなかったが、阿久澤良造座長は「トランス脂肪酸や飽和脂肪酸など、バランスの良い食事を摂っていくためには、どのように商品を選んだらよいかという表示問題があるし、健康増進のために健康機能の表示を許可されたトクホ制度がある。両者の問題を並行して議論していく」と述べ、表示問題について議論する可能性を示唆した。

 ただ、同WGのメンバーは3名しかおらず、阿久澤座長は同委の新開発食品調査部会の部会長を務めるが、トクホの専門家と呼べる人材はいない。夏目智子座長代理は「トクホ制度の運用全体やあり方など大きな問題に発展していくようなら、専門的な調査会などの議論が必要」と語り、WGで取り上げる問題は限定的にするべきと注文を付けた。

 トクホ表示を巡っては、昨年の規制改革実施計画で、今年度上期中に消費者に分かりやすい表示への見直しが求められている。一方で、トクホ製品さえ摂れば食事改善せずとも脂肪の吸収を抑えるといった、許可の範囲を超えるような行き過ぎたCMや広告が問題視されている。

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