新規獲得に意識 銀座ステファニー化粧品 竹尾氏(2014.7.24)

05銀座ステファニー竹尾社長

 韓国生活用品最大手LG生活健康のグループ会社、銀座ステファニー化粧品とR&Yが7月1日、合併した。銀座ステファニーが吸収合併した格好。常駐しないチャ・ソクヨン社長(LG生活健康CEO兼LGグループ副社長)に代わり、元R&Y社長の竹尾昌大氏と銀座ステファニー役員の安藤恵子氏の二人が、取締役副社長として経営を主導する。合併に伴い年商は150億円規模に拡大。さらなる成長のかじ取り役を担う竹尾副社長(=写真)に新体制下での重点事業戦略を聞いた。

─旧R&Yの主力製品「プラセンタ100」の位置づけは。

 「通販事業で最も重要なのは新規顧客の獲得だ。その上で、新規顧客のLTV(顧客生産価値)をどう向上させるかが重要。新体制ではそこに意識を集中させている。商品ラインナップを新規顧客獲得の観点でみると、『プラセンタ100』が抜きん出ている。売上高が60億円を超え、緩やかになってはいるが、顧客の拡大は続けている。当面はこれを軸に新規獲得を進める」

─合併によるシナジーをどう出すか。

 「銀座ステファニーはLTV向上のノウハウを備えている一方で、ここ数年、新規獲得をほぼ行えていない。合併により、お互いにないものを補完し合えるようになった。プラセンタで獲得した新規定期会員やトライアルに止まる顧客に対し、銀座ステファニーのLTVノウハウを適用するビジネスモデルの構築を進めている」

─新規獲得のために健康食品を増やすか。

 「方法論としては考えられるが、プラセンタを利用している顧客にそれを勧めても効果は薄いのではないか。増やすのは化粧品。プラセンタが頭打ちになる時期もいずれくるといえ、新規顧客獲得のための化粧品開発を行っている」

─「プラセンタ100」の販路をドラッグストアにも広げている。

 「九州や北陸を中心にした500店舗でテスト販売を行っている。反応は意外と悪くない。店頭専用のプラセンタ商品も販売していきたい」

 「当社は『通販屋』ではない。社員にはそう伝えている。今後、従来の通販事業を維持しながら販売チャネルを広げ、お客さまとの接点を増やしていく。近いうちに、フルチャネルを使った販売展開に乗り出す」

─同じLG生活健康グループのエバーライフとのシナジーについて。

 「経営は基本的に分離されているので、特にコメントはない。全く関係していないこともないが、現在のところは、かなり緩い連携に過ぎない」

─LG生活健康は経営にどう関与するか。

 「M&Aなど大きな投資が必要な案件はLGと共有していく必要がある。それ以外の面については自由度が高い。日本市場は当社に任せるという認識なので、非常にやりやすい。その中で、当社としては、原材料調達や研究開発をグループ内で行えるのが大きい。LGの研究開発力を生かしながら日本市場に適した商品をつくり、広げる。R&Yが株式譲渡した狙いもそこにある」

(聞き手=本紙記者・石川太郎)

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