調剤薬局ルート開拓、明らか食品で 日本製粉(2014.7.24)

日本製粉②

 日本製粉㈱は今年10月1日、「食の力シリーズ」と銘打って3品目の健康食品を新発売する。

 3品とも調剤薬局に卸し、調剤薬局の物販拡充をサポートする。ヘルスケア事業部の渡辺宏主席は「調剤薬局の店舗数はコンビニエンスストアよりも多く、新規参入も相次いで過当競争を強いられている。しかも後発医薬品の普及や調剤報酬の抑制などで収益が圧迫されている」との認識を示した上で、健康食品を開発した意図を説明する。「リサーチの結果、薬剤師に納得してもらえて、エビデンスのある商品として健康食品を選んだ。患者が調剤薬局で薬代を支払った上にサプリメントを購入するのは金銭的な負担が重いという実情が分かったため、手頃な価格で購入できる“明らか食品”を開発した」

 すでに同社は「アマニ油」などの取り扱いで全国500店以上の調剤薬局と取り引きしているが、薬品卸や食品卸のルートで展開する計画だ。

 購買層には中高年層を想定し、初年度売上目標は桑の葉粉末茶2000万円、植物発酵ゼリー1000万円、長命のど飴2000万円の計5000万円を見込んでいる。

 食の力シリーズのコンセプトは①明らか食品である②求めやすい価格である③健康に良い効果が期待できる―などで、「桑の葉粉末茶」(2㌘×30袋、希望小売価格1800円)「植物発酵ゼリー」(10㌘×10袋、980円)「長命のど飴」(75㌘、280円)の3品を発売する。

 桑の葉粉末茶には1袋に国産の桑葉を1800㍉㌘配合し、製造工程に茶葉を揉む“揉捻(じゅうねん”を加えて旨味を引き出した。植物発酵ゼリーは1袋にハーブ、果実、海藻類、野菜など80種類の植物由来原料をブレンドした植物発酵エキス3000㍉㌘、さらに日本製粉オリジナル素材のアマニリグナンを配合した。

 長命のど飴には沖縄県与那国島で採取した長命草「ボタンボウフウ」と21種類のハーブエキスを配合した。ボタンボウフウはセリ科カワラボウフウ属の植物で、海岸の断崖や珊瑚石灰岩でできた岩場に育ち、沖縄では刺身のツマや和え物、お茶などに使用されている。

健康・機能性で持続的成長

 日本製粉は健康食品の他にも今秋に、家庭用冷凍食品20品目と家庭用グローサリー18品目を新発売するが、全ての商品に共通したキーワードがあるという。

 松井宏之取締役常務執行役員は「簡便・時短、健康・機能性、小容量化。これまで販売したなかでも、このキーワードに沿った商品は伸びている」と現状を説明。その上で「消費者ニーズとウォンツの変化を引き起こして、持続的成長を図っていきたい」と抱負を述べる。

【写真は松井宏之取締役常務執行役員】

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