3500名以上が参集 日本抗加齢医学会総会(2013.7.11)


 6月28日から3日間、第13回日本抗加齢医学会総会(会長:堀江重郎氏・順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授)「アンチエイジングでつながる医学」が開催された。研究者らが3500名以上参加するなど、今までにない規模での総会となった。

 1日目の、ビタミン・栄養とロコモティブ症候群と題したシンポジウムでは、ビタミンKが加齢性の骨関関節疾病を中心として多彩な作用を有すことや、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の過不足により高い骨密度でも骨折リスクを高めるなどの報告があった。会長特別企画では、農産物の機能性と人との関わりを科学し、疾病予防を目指す医農連携の必要性が強調された。

 2日目は、睡眠や、ドライシンドローム、糖化ストレスと抗加齢に関するシンポジウムなどが行われた。またウコンの機能性セミナーでは、同会の企画で招待された高校生から「異素材の組み合わせで吸収性を向上させることは可能か」といった質問が出るなど会場が沸いた。政策研究大学院大学アカデミックフェロー・日本医療政策機構代表理事の黒川清氏の特別講演では、最近の世界情勢と照らし合わせながら、超高齢社会を迎えた日本は「課題先進国である」と言及。情報のインフラが整備された現代において、それらの課題に対応するためにもグローバルな視点が求められると強調した。

 最終日にも、抗加齢に寄与する様々なサプリメントや機能性食品を演題にしたシンポジウムや講演が多く開催された。

 会期中、今後健食の機能性表示のガイドライン策定に関与していく同学会の方針から、全ての演題にCOI(利益相反)の表示が明確になされた。

 さらに、28日に行われた会合では、新理事長に慶応義塾大学医学部眼科・坪田一男教授が選出された。前理事長の京都府立医科大学・吉川敏一学長は、名誉理事長に就任、また日本抗加齢協会会長と兼務するという。

 日本抗加齢医学会は、2001年に研究会として設立し、医療従事者や研究者、コメディカル、美容関連・食品関連の研究者などを中心に規模を拡大してきたが、同総会で会員数を8000名超えた。食品や化粧品に関連する演題も多く、注目されている学会の一つ。

 次回大会は、来年6月6日から、大阪国際会議場にて、「アンチエイジング医学のルネサンス」をテーマにて、大阪大学大学院・森下竜一教授を会長に開催される。

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