植物から高純度セラミド 日粉やオルガノらが新技術(2014.7.24)
米ぬかから高純度セラミドを工業的に連続生産できる新技術を日本製粉、オルガノ、農研機構が共同開発した。米ぬか以外の植物からも、95%以上高純度セラミドを生産可能。世界初の技術だという。9日、発表した。
サプリメントや化粧品用原料として市場に流通している植物セラミド原料のセラミド(グルコシルセラミド)含有量は一般的に、5~10%。
その中で日粉らが今回開発したのは、クロマト分離技術を用い植物由来セラミドに必ず含まれるステロール配糖体を取り除き、純粋なセラミドのみを工業的に分離する技術。ステロール配糖体を連続的に分離するのは従来困難だったが、新技術では24時間365日の連続分離が可能だという。
この新技術で利用する分離剤は、発酵エタノールと食品に応用できるもののみ。そのため、「生産コストを下げる必要がある」(日本製粉中央研究所)が、将来的にはサプリメントや美容飲料向けにも展開できそうだ。
また、高純度セラミドは色や臭いがほとんどないため、化粧品や医薬品のほか、研究用途として新たな活用法が期待できるといえる。日粉中央研では「医療に近い部分で(セラミドを)応用できる可能性が広がる」と話している。
植物セラミドを継続的に経口摂取すると、アトピー性皮膚炎や重度の乾燥に対して機能することが臨床試験などで確認されている。