3区分の料理基準策定 厚労省「健康な食事」検討会(2014.8.7)
日本人の長寿を支える「健康な食事」の認証基準などを検討している厚生労働省の検討会は4日、同省が示した認証に必要な栄養素等の具体的な数値案などについて検討を行い概ね了承した。
認証基準は、日本人の食事摂取基準などを参考に、栄養バランスを確保した1食あたりの主食、主菜、副菜の3基準をつくる。米などの穀物を対象にした主食(料理区分Ⅰ)では、炭水化物を50~70㌘、精製度の低い米や麦等の比率を2割以上としたほか、エネルギーを300㌔㌍未満とする。魚介類や肉類などの主菜(料理区分Ⅱ)は、タンパク質を12~17㌘とし、エネルギーは250㌔㌍未満。野菜などの副菜(料理区分Ⅲ)は、野菜量を100~200㌘含み、エネルギーを150㌔㌍未満とする。さらに、3基準とも食塩含有量を1㌘未満とする。
一方、基準を満たしても1食となっていないものは対象としないほか、特定の保健用途に資することを目的にした食品や素材は使用しないことを条件づける。
厚労省はこれらの基準を満たした食品を「健康な食事」としてマーク表示を認める新たな制度を、来年度から開始する予定。3基準のうち1つでも基準を満たせばマーク表示を認めるような制度設計を想定しており、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、宅配業者などの惣菜や弁当などを想定している。
「健康な食事」認証 マークデザインを公募
厚生労働省は「日本人の長寿を支える『健康な食事』」のマークデザイン案の公募を開始した。今月29日まで受け付ける。
「健康な食事」は、生活習慣病の発症予防や重症化予防などに資する「健康な食事」の考え方や基準を整備し、この基準を満たしたコンビニエンスストアやスーパーマーケット、宅配などの弁当や総菜に、マークをつけて普及を促していく。
公募するマークは、現在検討されている3つの基準のどれを満たすのかが一目で分かり、また親しみやすさも考慮する。
「健康な食事」の認証制度は昨年6月に閣議決定された成長戦略(日本再興戦略)のなかで、国民の健康寿命の延伸策の一つに挙げられたもので、同省は来年度にも制度を創設する予定。
【写真は8月4日開催の厚労省「日本人の長寿を支える『健康な食事』のあり方に関する検討会」】