日本ポリフェノール学会学術大会 多彩な機能を紹介(2014.8.21)
日本ポリフェノール学会は8日、第8回学術大会(上原万里子会頭・東京農業大学応用生物科学部食品安全学科)を都内で開催した。
東農大では今年度から応用生物科学部に食品安全健康学科を新設し、食品の持つ生理機能の解明と食品の安全性への追究といった研究を進めている。もう一方の栄養科学科に今年度から着任した清水誠教授が「腸管の機能とポリフェノール」と題し基調講演した。同教授は、トクホに使用されている緑茶やグァバ、ウーロン茶に含有するポリフェノールの整腸作用について、腸管を通していかに機能するかそのポテンシャルを紹介した。
特別講演「食品の新たな機能性表示制度と製品開発」では、日本健康食品規格協会の池田秀子理事長が登壇。池田氏は、新たな機能性表示について、保健機能食品、栄養機能食品の現行制度との違い、その枠組みづくりで参考とされたアメリカ、EUの制度の利点、課題点などを提示し、今後使用が解禁される部位表示についてガイドライン次第としながらも、「トクホか新制度、色々な(製品)展開が考えられる」と述べた。
また当日は、企業研究者によるポリフェノールを活用した製品開発の経緯が報告された。大塚製薬、明治、サントリー、花王の4社の研究者が登壇し、各社で見出した有用成分の基礎研究から機能性のメカニズムを説明した。一般演題では、レスベラトロールの抗アレルギー作用やケルセチンのミトコンドリア機能破綻抑制、オレウロペインの血糖値定価作用、コーヒーポリフェノールのシミ生成拡大抑制についてなど計29題がポスター発表された。
【写真は学術大会が行われた東京農業大学の会場。関係者ら約150名が参加した】