脱酸素剤不要の新型容器 三菱ガス化学(2014.8.21)
脱酸素剤エージレスの製造販売で37年の実績を持つ三菱ガス化学㈱(東京都千代田区)は、脱酸素能力を持たせた医薬・サプリメント用の新型容器の販売を開始した。同社として容器の販売を手掛けるのは初。すでにサンプル提供も開始している。
新型容器として提案するのは、製剤の酸化劣化を防ぐことを特徴とする「オキシヴァニッシュ」。見た目は通常のプラスチック容器と変わりないが、鉄系の酸素吸収剤を用いた酸素吸収層および酸素透過度の低いバリア層など5種6層の容器材質で構成し、外部から侵入する酸素を遮断するとともに、容器内の酸素を吸収することで製剤の劣化を防ぐ。容器材質は数㍉程度の厚さで通常容器と同レベルという。
酸素吸収能力では、脱酸素剤を入れた時より吸収スピードは下がるものの、「容器内の製剤劣化に特別に支障はない」程度という。同社が10年前より販売する、酸素吸収能力を持つ包装フィルムの技術を応用した。
通常容器と比べ数割程度のコストアップになるが、脱酸素剤を入れる手間が省けるほか、容器内に不要物が混入しないイメージを訴求し、医薬・サプリメーカーへの積極提案を進める方針だ。