景表法の課徴金制度導入で法案概要示す 消費者庁(2014.9.11)
消費者庁は景品表示法に導入する課徴金制度の法律案概要を公表した。同法で禁じる優良誤認などの不当表示に対し、措置命令に加えて賦課するもので、事業者に対する不当表示抑止や不当に得た利益を吐出させる狙いがある。同庁は秋の臨時国会に同制度の条文を盛り込んだ景表法改正案の提出を目指す。
案では、課徴金の対象行為は告示で指定される類型を除くとしており、優良誤認(第4条1項1号)及び有利誤認(同項2号)が対象になる。また、一定期間内に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出がない場合に不当表示とみなす不実証広告規制(同条2項)については、新規定を設けて対象にする。
課徴金の算定は対象商品又は役務の売上額に100分の3を乗じる算定式を採用する。算定額が150万円未満の場合は課徴金を賦課しない規定も設ける。このため売上額が5000万円未満の場合は課徴金を賦課しない。違反行為を自主申告した場合は課徴金を2分の1に減額する措置も設ける。
このほか、事業者自らが注意義務を尽くしたことが証明された場合は課徴金を賦課しないことや、違反行為を行った事業者に対する弁明の機会の付与、違反行為がなくなった日から5年を経過した場合は課徴金納付を命じることができないとする規定も設ける。
さらに、消費者被害回復を促すため、消費者への返金や国民生活センターへの寄附など一定の要件を満たした場合は課徴金納付を免除する規定も盛り込む。
課徴金制度の導入は、昨年相次いだホテルやレストランによるメニュー表示偽装問題を受けた同法の執行力強化の一環として、内閣総理大臣の諮問を受けた消費者委員会が審議、6月に導入する旨の同委答申を経て、同庁で具体策の検討が進められていた。