厚生労働省の「第3回『日本人の食事摂取基準』策定検討会」(座長・伊藤貞嘉・東北大学大学院教授)が9日に開かれ、各ワーキンググループ(WG)で検討中の摂取基準の変更ポイントが提示された。また、サプリメントを用いた介入研究の取り扱い方針も示された。
健康食品の広告表示を巡る景品表示法違反に絡み、10月は金額の大きな課徴金納付命令が相次いだ。1億円を超える、2016年4月に導入された景表法の課徴金制度では史上2番目、健康食品関連では過去最高額となる命令も出ている。「酵素」を訴求するドリンクで目に対する働きを不当表示していたと認定された企業にも、1800万円余りの課徴金が命じられた。
消費者庁は1日、10月25日付で健康食品産業協議会や日本健康・栄養食品協会など業界5団体宛てに発出していた機能性表示食品に関する事務連絡を同庁ホームページ上で公表した。届出後の分析実施と健康被害の情報収集に関し、各届出者と業界団体に望む自主的な取り組みをまとめたもので、推進していくよう求めている。届出後の分析実施状況を積極的に公表することも求めた。
東京都は、従来の「悪質商法」や「架空請求」に係る通報受付窓口に加え、「誇大広告」の受付窓口を新たに設け、「悪質事業者通報サイト」として、先月28日にリニューアルした。都では、景品表示法や特定商取引法など法令の適用可能性を整理・分析する専門の組織を今年4月に新設しており、新たなサイトに寄せられた情報を基に悪質事業者の取締りや、誇大広告に対する監視強化につなげていく。
政府は5日、未来投資会議(議長・安倍普三首相)を開き、新たな成長戦略の基本方針を決定した。全世代型社会保障改革が最重点課題になる見通しで、「健康寿命の延伸」もその中に盛り込まれた。特に糖尿病、認知症、高齢者虚弱(フレイル)対策が挙げられた。
厚生労働省は6日、「平成31年度厚生労働科学研究事業」を公表し、パブリックコメントの受付けを開始した。受付期間は10月5日まで。食薬区分に関する研究など健康食品に関連する項目も盛り込まれている。政府の健康・医療分野に関する研究開発予算は、2015年から国立研究開発法人・日本医療研究開発機構(AMED)に集約されているが、食品・労働安全衛生、化学物質対策、危機管理研究ほか、厚労省が必要と認める研究は、引き続き同省が研究開発を行うことになっている。
政府が今年6月に閣議決定した新たな成長戦略「未来投資戦略2018」、また、研究開発成果の実用化によるイノベーションを図るための戦略を盛り込んだ「統合イノベーション戦略」には、食による健康増進を推進していく方針がそれぞれ盛り込まれている。
厚生労働省は11日、2017年に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。今回の調査で重点とされた高齢者の栄養、筋肉量については、低栄養傾向の割合が男性の約1割に対し、女性が約2割であること、四肢の筋肉量は男女ともタンパク質摂取量が多く、かつ肉体労働時間が長いほど有意に増加していることなどが分かった。
消費者庁は2019年度の予算概算および機構定員要求をまとめ、8月30日公表した。一般会計は昨年度予算額比25.9億円増の145.3億円、そのうち食品表示対策推進関連は1億200万円増の2億9500万円を要求した。機構定員では2年前に求めたものの認められなかった「食品表示企画課保健表示室長」の新設を再び要求。機能性表示食品など保健機能食品の業務に充てたい考えだ。