2021年度「G」シリーズの機能性表示食品の届出件数は6月21日時点で合計92件。その1割強に相当する12件が「睡眠(眠り)」領域のヘルスクレームを行う届出だ。一時的な「ストレス」を軽減させる機能も抱き合わせたダブルヘルスクレームを行う届出も目立つ。新型コロナウイルス感染拡大が引き起こした「不安」と「混乱」。それによって生じた心や精神の「揺れ」。その結果高まった新たな生活者ニーズを取り込もうとしている様子がうかがわれる。
サプリメントの原材料5‐ALA(アミノレブリン酸)を巡り、企業間における係争が勃発した。契約違反があったなどとして、5‐ALAの製造元をユーザー企業が提訴。製造元は全面的に反論しているが、このユーザーは製造元の生産工場の仮差押えも申し立てており、極めて穏やかならぬ事態になっている。5‐ALAは、長崎大学らによる「対新型コロナウイルス」研究によって注目度が急上昇している成分。本来であれば協調が求められるステークホルダー同士の係争は、市場形成に向けて高まる機運に重大な冷や水を浴びせかねない。
健康食品の通販サイトが第三者による不正アクセスを受け、顧客のクレジットカード情報など個人情報の流出が懸念される事態を公表する動きが目立っている。
コロナ下で健康意識が向上していることを背景に、「免疫賦活作用」などの食品市場が拡大傾向にあるとする調査結果を、市場調査会社の富士経済(東京都中央区)が4月12日、発表した。「免疫賦活作用」のほか、「スポーツサポート」「乳酸菌類」などが2ケタ前後で市場が伸長する見込みだという。
健康食品の摂取目的として、「免疫力の向上」が新型コロナウイルス禍で高まっているとする消費者アンケート調査結果を、矢野経済研究所(東京都中野区)が3月25日公表した。
機能性表示食品の届出件数が年間1000件に達せんとするなか、特定保健用食品(トクホ)の2020年度の年間許可件数はわずか1ケタ台にとどまった。活用される制度として、レームダック(死に体)の領域に足を踏み入れたといえる。トクホは日本で生まれて世界の範にもなった食品の機能性表示制度だが、今後、息を吹き返すことはあるのだろうか。逆に言えば、トクホのない機能性表示食品の世界だけでやっていけるのか。そろそろ真剣に考える必要がある。
15社が連携して3月に設立されたプライベートフード(PBF=植物性食品)の活用を目指す任意団体「P-LAB」。食品企業だけではなく、通信や商社まで幅広い業種が参画、さらに農水省や大学とも連携して官・民・学の大きな協働運営となる予定だ。
サプリメント・健康食品原材料40品目の2020年市場規模は、前年比2.9%減の1920億円が見込まれるとする調査結果を富士経済(東京都中央区)が取りまとめ、2月22日に公表した。減少要因について、新型コロナ禍を受けた最終製品の開発スピードの鈍化で需要が減少する品目が見られたと指摘。動物系および植物系原材料の市場規模は前年を割り込むことが見込まれるという。