健康食品産業協議会や日本通信販売協会など業界5団体が機能性表示食品の「事後チェック指針」の広告部分(広告その他の表示上の考え方)に関する解説をまとめ、8月21日に公表した。機能性表示食品の届出・販売に関わる事業者に同指針への理解を深めてもらうとともに、事業者自らで自主点検を行い、適切な広告表示を推進してもらう狙い。解説は、消費者庁の助言も受けながらまとめた。
サプリメント・健康食品の健全な市場成長・発展のためには医療従事者の理解と支援が欠かせない。そのためには、日本医療界の総本山、日本医師会との関係構築が必要となる。日医がサプリ・健康食品に向ける眼差しと直接向き合うことも求められるだろう。2016年から活動している日医「健康食品安全対策委員会」がこのほど取りまとめた報告書から最新の眼差しを探る。
日本健康・栄養食品協会が今年度からの新規事業として始める「個別審査型JHFA制度」の概要が分かった。認定対象をJHFA規格基準が設定されていない個別製品にまで広げ、従来の規格基準型JHFAにおける製品品質審査に加え、安全性、有効性についても審査を行った上で認定する仕組み。有効性に関しては2段階の認定基準を設ける。そのため個別認定型JHFAには2種類の認定マークが用意される。
健康食品、化粧品を巡る定期購入トラブルの増加に歯止めをかけるため、ネット通販の定期購入に対する規制が強化されそうだ。消費者委員会は、定期購入などが条件にされる「悪質なお試し商法」に関する意見を先月26日までにまとめ、消費者庁に対応を求めた。消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」も、同29日に開いた第4回会合で規制に向けた議論を開始。委員からは迅速な対応を求める意見が上げられた。
日本健康・栄養食品協会の理事長職を5期10年の異例の長期にわたり務めてきた下田智久氏が7月3日付けで退任した。新理事長には、下田氏と同じ流れを汲む元厚生労働省健康局長の矢島鉄也氏が同日就任。2代続けて元厚労官僚が協会トップに就いた。その他の理事の顔ぶれも一部変わり、新たな執行体制で事業者支援などの事業に当たる。
日本健康・栄養食品協会が作成を進めた特定保健用食品(トクホ)の表示に関する公正競争規約が公正取引委員会と消費者庁に認定された。公正競争規約は景品表示法に基づく業界自主ルール。不当な顧客誘引の排除、消費者の自主的・合理的な商品選択、事業者の公正な競争確保──に資することが期待されている。8月21日に施行されるトクホ公正競争規約の行方は、現在作成が進められている機能性表示食品の公正競争規約の運用を成功させるための試金石になる。日健栄協の責任は重大だ。
健康食品産業協議会は6月15日、事業者を対象にした機能性表示食品制度に関するアンケート調査結果の最終報告書を発表し、調査結果を踏まえた今後のアクションプランを示した。表示可能なヘルスクレームの領域拡大を消費者庁に提案する。調査結果からは、「体力増強・減退対策、筋肉強化」「美肌・肌ケア」「抗酸化・老化予防」「風邪の予防・免疫の正常化」に関する表示実現を求める事業者の多いことが示されていた。
「現時点で、新型コロナウイルスに対する効果を示した食品・素材の情報は見当たりません」。栄養素や機能性成分・素材についてこう注意喚起する情報が、医薬基盤・健康・栄養研究所(栄研)が運用するウェブサイト「『健康食品』の安全性・有効性情報」に積み上がり続けている。新型コロナ感染症予防効果を謳う健康食品の情報がネットを中心に流通されていることに伴う対応といえ、栄研では、宣伝されている情報の拡大解釈に注意喚起しつつ、情報提供も求めている。
機能性表示食品制度が抱える課題や問題を把握し、継続的な制度成長に向けた取り組みや見直しを強化する目的で、事業者を対象にしたアンケート調査を健康食品産業協議会が実施し、4月15日に結果速報を公表した。健康維持・増進の範囲におけるヘルスクレームの領域拡大について尋ねる設問では、「体力増強・減退対策、筋肉強化」「美肌・肌ケア」「抗酸化・老化予防」「風邪の予防・免疫の正常化」関連に100件前後の回答(複数回答)が集中した。
特定保健用食品(トクホ)の2019年度市場規模は前年度比1%増の6493億円とほぼ横ばいだった。日本健康・栄養食品協会がトクホ許可取得企業152社1071品目を対象にアンケート調査を実施し、4月1日に発表した。古いデータだが、消費者庁の調べによると、許可を受けたトクホの販売件数は2016年9月27日時点で366件にとどまる。