幼児を含む未成年者の一部がビタミンDを耐容上限量以上に摂取している可能性が示唆されたアンケート調査結果、そして、同結果を受けて消費者庁食品表示企画課が業界団体宛てに発出した課長通知を巡り、日本健康・栄養食品協会が同庁関係者らを講師に招いた「研修会」を、インターネットライブ配信の形で10月7日午後開催する。
日本抗加齢医学会の姉妹団体、日本抗加齢協会は9月1日、「免疫関係の機能性表示食品の科学的根拠に関する考え方」を公表した。消費者庁の食品表示企画課幹部をオブザーバーに迎え、協会が招集した免疫に関する有識者(アカデミア)チームで検討、取りまとめたもの。特定の機能性関与成分以外に広がりを見せない免疫領域機能性表示食品の届出に関する現状を大きく打開する「考え方」になるか注目される。
国民生活センターが9月2日公表した「2020年度の危害・危険情報」の取りまとめで、健康食品の摂取で疾病等の「危害」を受けたなどとする情報件数が3526件に上った。前の年度から約400件減少したが、危害情報件数全体のおよそ3割を占め、依然、高い水準にとどまっている。報告された危害の内容としては、消化器障害が最多で2207件。
2020年度(2020年4月~21年3月)の国内通信販売市場の売上高が推計で10兆円を突破したことが分かった。新型コロナ禍の長期化を受け、物品購入で通販の利用が大きく広がり、前年度から20%を超える伸びを示した。日本通信販売協会(JADMA)が会員企業および非会員企業を対象に調査し、8月23日、速報値として発表した。
健康食品の体系図──一般健康食品(いわゆる健康食品)から特定保健用食品(トクホ)までの健康食品全体を、〝ステップアップ〟という段階的「上昇」概念を取り入れて秩序化(体系化)させようという大胆な構想を、このほど業界団体の公益財団法人「日本健康・栄養食品協会」(日健栄協)が打ち出した。ステップの頂点には、トクホの疾病リスク低減表示が鎮座する。どのような背景と目的からこの体系図は生まれたのか。8月3日、日健栄協の矢島鉄也理事長にインタビューを行った。
2020年度の特定保健用食品(トクホ)市場規模は5610億円となり、前年度から883億円減少した。減少率としては13.6%の大幅なマイナスで、6000億円を割り込むのは11年度調査以来──こんな調査結果を、1997年度からトクホ市場規模調査を実施している日本健康・栄養食品協会(日健栄協)が取りまとめ、7月30日公表した。大幅な落ち込みに驚く声も業界内から上がる。日健栄協では、現行方式でのトクホ市場規模調査を終える考えを示している。
社福協(一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会)は7月9日、厚生労働省が主催する、食薬区分(医薬品の成分本質)に関するワーキンググループ(WG)の現任委員(構成員)を演者に招いた会員向けオンラインセミナーを開催した。食薬区分は、その成分本質(原材料)が医薬品としての規制が必要かどうかの判断を示したもので、食品該当性に関する判断を提示するものではないが、「機能性を有する新規素材を食品分野に導入する最初の関門」(同セミナー関係者)となる。その審議に関わる有識者の話を公に聞ける機会は非常に少ないだけに、少なくとも180人を超える業界関係者が聴講した。
細胞のオートファジー機能をめぐる研究成果、その産業利用の拡大・発展を目指す一般社団法人日本オートファジーコンソーシアム(吉森保代表理事=大阪大学栄誉教授)は7月14日、同コンソーシアムとして初のシンポジウムを会場とオンラインのハイブリッド形式で開催した。健康寿命延伸につながる可能性が指摘されているオートファジーをめぐっては、「今後の機能性食品市場のキーワードになり得る」(原材料事業者)との見方がある。シンポの参加者は、主催者によると、会場が約50名、オンラインが約220名の計270名に上った。
インターネット通販において健康食品や化粧品などの定期購入契約を巡る苦情・相談が増え続けている問題で、商品を使用したことによる体調不良を訴える声も同時に増加していることが、国民生活センターへの取材で分かった。「1回だけ注文したつもりが定期購入だった」「定期購入の解約ができない」などといった定期購入を巡る苦情・相談全体のおよそ1割が、肌の状態を含む健康被害の申し出と一体化している状況が続いている。
免疫を巡るヘルスクレームを伴う機能性関与成分(機能性表示食品)の第2弾が一向に出てこない。第1弾「プラズマ乳酸菌」の届出が初めて公開されてから11カ月が経過した。この間、届出資料の提出自体は積極的に行われていると言われる。次の機能性関与成分の登場はまだまだ先か、それとも間もなくか。今後の行方を窺う目的で、6月25~27日に開催された日本抗加齢医学会の総会を取材した。