単一成分でなく多成分製品の多いサプリメントで溶出試験を行うには検討課題が極めて多い──。国立医薬品食品衛生研究所で薬品試験部長を務めた経歴もある識者がこうした厳しい認識を示している。エキス等を機能性関与成分にした錠剤、カプセルの機能性表示食品は今後、溶出試験の実施が求められる見通しだが、実行可能性は未知数と言えそうだ。サプリメントなりの溶出試験方法に関する議論の深耕を、業界全体で急ぐ必要がある。
一般財団法人・四国産業・技術振興センター(STEP)は6月27日、「四国健康支援食品制度」の運用を開始したと発表した。自治体独自の認定制度として、北海道、新潟市に次ぐ3例目となる。第1回の認定商品の公表は10月下旬を予定している。
健康食品産業協議会は12日に都内でメディア懇談会を開き、木村会長が産業協議会と日本健康・栄養食品協会の役割分担について言及し、産業協議会は行政への提言を行う「ポリシー団体」と位置付け、日健栄協は品質管理レベルの向上など、業界自主活動の中心的な役割を担う存在として、「事業者サポート」に徹する方向性を示した。
機能性表示食品を届け出たことのある企業の95%が「受理に至るまでの時間」を問題と捉えている──機能性表示食品制度および制度運用を巡る業界各社の認識・実感を尋ねた健康食品産業協議会(木村毅会長)のアンケート調査でこのような結果が出た。「消費者庁の確認作業の不透明さ」が課題だとしたのも全体で68%、届出実績のある企業に限ると80%に達した。機能性表示食品を巡る事業者の問題意識が定量的に示されたのは初。
日本健康・栄養食品協会(下田智久理事長)が特定保健用食品(トクホ)の品質管理の「更なる」徹底を関係各社に求めている。日健栄協GMP認証取得企業に対しても、トクホの原材料に関し、工場受入れ時の同一性試験の「すみやかな実施」を要請。消費者庁が実施した買上調査の結果、関与成分が規定量通り含まれていない商品が一部見つかったのを受け、危機感を露わにした。
健康食品業界7団体の連合会である一般社団法人の健康食品産業協議会は5月26日に執行体制の変更を行い、3期6年を務めた関口洋一会長が退任し、新会長に木村毅氏(味の素取締役常務執行役員)が正式に就任した。協議会は2009年に発足。木村新会長は初代会長を務めていた。
日本アントシアニン研究会(矢澤一良会長)が7月26日に開催する第6回研究会の中で、ビルベリーエキスの眼疲労改善効果に関する科学的根拠の質について、第三者有識者による評価発表が行われることが分かった。第三者評価を行うのは、消費者庁が2011年度に実施した「食品の機能性評価モデル事業」で評価パネルを務めた複数の識者。同事業の後、ビルベリーエキスの同作用を報告する査読付きRCT(ランダム化比較試験)論文の数が増えていることもあり、現状に則した第三者評価が改めて行われる必要があると判断した。
国立健康・栄養研究所(国立栄研)が大阪府に全面移転されることになった。同府摂津市にある「北大阪健康医療都市」(愛称『健都』) の健都イノベーションパーク内に建設される民間賃貸施設に、2019年度中にも全部移転する方向だ。国立栄研を所管する厚生労働省のほか大阪府が7日、発表した。
業界団体の「健康と食品懇話会」は13日、2017年度総会を都内で開催し、新役員体制、事業計画などを決めた。2年間会長を務めた原孝博氏(協和発酵バイオ㈱)に代わり、谷口茂副会長(㈱明治執行役員研究企画部長)が会長に選出された。原氏は副会長となる。また花王㈱の桂木能久氏(ヘルスケア食品研究所長)が新たに副会長に選出された。
厚生労働省がすべての食品事業者に義務付ける方針の食品衛生管理の国際基準「HACCP」について、日本健康・栄養食品協会が健康食品事業者向けの導入手引書を作成することになった。日健栄協によると厚労省からの依頼を受けて作成するもので、健康食品GMP認定製造所向けと非認定製造所向けの二通りの手引書を、2017年度中を目途に取りまとめる。