消費者庁は6月28日、平成28年度消費者意識基本調査結果を発表した。消費者問題の現状や求められる政策ニーズを把握することなどを目的に毎年実施しているもの。日頃の消費生活での意識や行動、消費者事故・トラブルの経験などとともに、食品表示に関することも尋ねており、保健機能食品の認知度、摂取の状況では、特定保健用食品の摂取は6割に届く一方で、機能性表示食品は3割弱に止まることが分かった。
消費者委員会食品表示部会が6月29日に開かれ、前回に続き、加工食品の原料原産地表示制度の改正案(食品表示基準の一部改正、内閣府令)の審議を行った。前回と同様、委員から疑問や意見が続出した。
内閣府の規制改革推進会議が先月まとめた第一次答申を受け、政府は9日、臨時閣議で「規制改革実施計画」を閣議決定した。8項目にわたる機能性表示食品制度の改善要求もそのまま反映。同制度を所管する消費者庁を中心に今後、同計画に基づき、制度運用改善に向けた具体策を検討し、結論・実施に向けて取り組むことになる。
厚生労働省は食薬区分(医薬品の範囲に関する基準)の一部改正案を6日までにまとめ、パブリックコメントを同日開始した。来月5日まで受け付ける。今回の一部改正では、「専ら医薬品」リストに植物のムラサキムカシヨモギの全草、化学物質のホモタダラフィルを新たに追加。一方「専ら非医薬品」リストには、新たに植物のシデリティス・スカルディカの茎・葉・花、ナガミノアマナズナの種子油を加える。
カフェイン入りエナジードリンクなどカフェインの過剰摂取に起因すると見られる中毒症状が増加している問題に関して、消費者庁と厚生労働省は14日、対策を検討する考えを明らかにした。
国民生活センターは15日、ADR(裁判外紛争解決手続)の実施状況と結果概要を公表した。公表した事案では、血糖値を下げる特定保健用食品(現在は許可取り消し)の解約に関する紛争の要旨を取り上げ、ADRによる和解は困難と判断して手続きを終了したとしている。国センでは具体的な社名は明示していないが、昨秋にトクホ許可を取り消された日本サプリメントを指すものとみられる。
東京都は、2021年度までのアレルギー疾患対策推進計画の策定に向けて動き始めた。都福祉保健局を中心とした委員会は5月31日、同計画策定を目的に第1回会議を都庁で開催した。
消費者庁食品表示企画課の赤﨑暢彦課長(=写真)は、5月26日の健康食品産業協議会の講演会で、食品表示法の附則第19条に基づき、機能性表示食品制度の見直しを検討する考えを明らかにした。同条は施行後3年を経過したときは必要に応じて制度の見直しを行うよう定めたもの。「機能性表示食品制度は食品表示法に由来する。今年度末を一つの節目に、検証を進め、結果を踏まえて必要な検討を進めていきたい」と述べた。
食品関連事業者から提出されて消費者庁が受け取った機能性表示食品の届出書類の総数が、今年4月末の時点でおよそ1600件に達していたことがわかった。制度が施行された2015年4月からのおよそ1年間では約900件が積み上がっていたため、ペースはやや鈍化したといえるものの、事業者は引き続き積極的に届出に向けて取り組んでいる様子を窺わせる。