機能性表示食品の届出長期化問題を改善するため、制度運用を担当する消費者庁の食品表示企画課長を交えながら、昨年12月と今年2月の2回にわたり議論した政府の規制改革推進会議ワーキンググループ(医療・介護・保育)。このほど公表された2月28日会合の議事録からは、森下竜一氏ら規制改革委員は、同庁の制度運用に対してまだまだ納得していない様子がうかがわれる。
東京都消費生活総合センターは10日、2016年上半期の「危害」に関する消費生活相談の概要を発表した。13年の2000件以上の相談件数から徐々に減少していたが、16年上期は前年同期と比較し10.1%増加の980件の相談が寄せられた。そのなかで、健康食品が158件と急増している。
消費者庁が2016年度に実施した機能性表示食品に関する検証事業のうち、買上調査と機能性関与成分の分析方法調査の結果が18日、明らかになった。買上調査では機能性関与成分の含有量が表示値を下回るものが6件見つかり、分析方法調査では定量確認に関する届出情報が不十分と判断されたものが124件あった。これら商品や届出について同庁は、届出者に追加資料の提出を求める方針。買上調査で表示値を下回った商品に関しては、品質管理に問題点がなかったかなど原因を精査した上で、場合によっては届出撤回を促す考えだ。
東京都は3月28日、2016年度の「健康食品試買調査結果」を発表した。試買数125品目のうち、84品目に不適正な表示・広告が見られたとした。また2製品から医薬品成分を検出した。
厚生労働省は、食薬区分の審議を行うワーキンググループの議論内容を一部公開する方針を固めた。以前から議事概要を公開していたが、記載内容は主として審議結果と簡単な判断理由のみ。そのため産業界からは、「最終判断に至った理由が不明瞭で審議結果に納得のいかないものもある」として不透明感を指摘する声が上がっていた。
消費者庁は今年1月から3月末までに、景品表示法違反による行政処分を計13社に対して下した。このうち健康食品販売事業者は6社で、実際よりも著しく優良であることを示す不当表示の「優良誤認表示」を行っていたと判断。判断にあたって同庁は、全てではないが、昨年4月に始めた「セカンドオピニオン事業」を活用し、事業者が提出した根拠資料と表示の整合性・合理性を巡る科学的な調査を行った。不当表示と認定されないためには少なくとも、機能性表示食品と同等以上の科学的根拠を揃えておく必要がありそうだ。
消費者庁は16日、家庭用磁気治療器の預託取引、連鎖販売取引を行うジャパンライフ㈱(東京都千代田区)に対し、預託法及び特定商取引法に基づき、業務の一部を停止するよう命じた。今月17日から12月16日の9カ月間。昨年12月からの3カ月間の業務停止が解ける直前での追加措置で、計12カ月間の一部業務停止処分となった。
合理的な根拠がないにもかかわらず目の症状を改善する効果を得られるかのように健康食品について広告表示していたとして、消費者庁は9日、健康食品通販会社のだいにち堂(長野県安曇野市)に対して景品表示法(優良誤認)に基づく措置命令を下し、発表した。ただ、同社は即日、命令に対する不服をホームページで表明。法的対処を講じる構えもみせている。
北海道と並ぶ農業地域である九州が、農産物の機能性表示の取り組みを活発化させている。熊本地震の影響はあったものの、各県とも昨年頃から大学や工業試験センターなどと協力して、機能性農産物の研究体制整備や充実に乗り出しており、民間企業と連携した機能性表示食品の届出の動きも加速しそうだ。取り組みも各県各様で、長崎県は機能性表示食品に絞った選択型研究開発、宮崎県は届出までの一貫サポート体制の構築、佐賀県は化粧品展開も含む多用途型開発が特徴。福岡県は国と連携して研究開発水準の向上に注力。大分県、鹿児島県、熊本県も動き出している。
消費者庁は17日、特定保健用食品制度に関する内閣府令と次長通知の一部改正を公布し運用を開始した。昨年9月に明るみになった関与成分問題の再発防止策の一環として改正したもので、許可取得企業は、許可商品の安全性や有効性、品質管理などに影響を与えるおそれのある新たな知見を入手した場合、入手30日以内に同庁への報告義務が生じる。また許可された関与成分等について、少なくとも年に1回は許可試験と同様の試験検査を第三者機関で実施し、試験検査成績書や品質管理の状況などを都道府県経由で同庁に報告することも義務化された。