水素水関連食品について合理的根拠がないにもかかわらず痩身効果や疾病予防効果を表示していたのは優良誤認に当たるなどとして、消費者庁は3日、飲料やサプリメント状の水素水関連食品を販売している3社に対し景品表示法に基づく措置命令を行い、発表した。水素水関連食品の表示を巡っては、商品テストを行った国民生活センターが昨年12月、効能効果に関する表示・広告を行っている商品が複数見受けられると指摘していた。
機能性表示食品制度を所管する消費者庁の食品表示企画課は7日、機能性関与成分の対象にエキス等や糖質・糖類を追加する改正制度の運用開始時期について、2018年度以降となる可能性を示唆した。
政府の規制改革推進会議ワーキンググループに機能性表示食品制度の運用状況を厳しく問われていた消費者庁担当課が、追求を押し切った。ワーキング委員が届出公表の遅れなどを強く問題視していた中で、担当課はここ4カ月間で公表件数を従来比2倍以上に増やすとともに、先月28日、「届出者の予見可能性の向上」に今後取り組むとして、届出Q&Aの作成など複数の改善施策を委員に提示。規制改革推進室によると、担当課の取り組みに対してワーキング委員は、おおよそ納得感を示しているという。
健康食品業界団体などが政府の規制改革推進会議が設置した「規制改革ホットライン」を通じて要望していた機能性表示食品制度の見直しについて、所管する消費者庁が先月末までに回答を寄せ、大半の要望に関して「現行制度下で対応可能」とし、見直す考えのないことが15日までに分かった。このほど規制改革推進室が回答を公開した。機能性の科学的根拠について、病者データを条件付きで活用できるよう求める要望もあったものの、同庁は事実上の「ゼロ回答」を寄せた。
インターネットで販売される健康食品や化粧品の「お試し購入」を巡る消費者トラブルを減らすための法的措置を講じる必要があるとして、埼玉県は20日、国に「緊急要望」を出した。1回だけ購入したつもりが定期購入になっていたり、それによる中途解約を拒否されたりするトラブルの相談が県内で急増。「どうにかしないとならない」(消費者生活課)としている。
沖縄県は2019年をめどに、独自の健康分野の食品認定制度を導入する。健康食品や機能性に拘らず、多様な観点から複数の認定バージョンを設定していく方針だ。
消費者庁は14日、日本サプリメントに措置命令を下したのと同時に、トクホと機能性表示食品に関する景品表示法の新たな執行方針を全許可事業者・全届出事業者に対して通知し、品質管理と表示に関する社内確認を徹底するよう要請した。トクホに関しては、許可要件を満たさない商品を販売することは健康増進法上問題になると同時に、表示と実際が著しく異なれば優良誤認に当たるため景品表示法上からも問題になると指摘。今後、同庁として監視を強化し、景表法違反事例に接した場合は「厳正に対処する」と警告した。
健康増進法に基づく特定保健用食品(トクホ)の許可取消し処分を昨年9月に行っていた日本サプリメント(大阪市北区)に対して消費者庁は14日、景品表示法に基づく措置命令を下した。取消しまでの間、許可要件を満たさないにもかかわらず「トクホ」と称していたのは優良誤認に当たると判断。しかし同社は「許可取消しまではトクホだったと認識している」と話し、許可要件を満たしていたと主張。双方の見解は割れている。
政府の規制改革会議が最近、機能性表示食品制度および制度運用の改善を求める産業界要望の一大集積地になっている。同会議が設けた「規制改革ホットライン」には、食薬区分の見直しを求める意見も寄せられており、消費者庁のみならず厚生労働省も巻き込む形で改善を求める声が上がる。一方で、一部の消費者団体が産業界とは異なる規制強化の観点から制度改善要望を消費者庁などに申し入れており、制度の行方も板挟み状態。現状維持か、改革か──所管省庁がどのように回答するかに注目が集まっている。
総務省統計局の家計調査(二人以上世帯)で毎月支出額を調べている健康保持用摂取品(サプリメント)の2016年1月から12月まで1年間の1世帯当たり支出額を合計したところ、1万5272円となった。12月分は速報値のため今後変わる可能性もあるが、前年同期比は8.3%増と、前年を1167円上回った。