「解重合型アントシアニン」と名付けた吸収率向上型ビルベリー由来アントシアニンの製造技術を、機能性食品素材メーカーのオムニカ(静岡県裾野市)が確立、今月までに特許出願したことが分かった。解重合とは、重合体が単量体になること。同社によると、「低分子型」とほぼ同意義という。出願中特許技術を適用することで、アントシアニンの吸収率が最大で6倍以上に高まることを実証したとしている。同社は、ビルベリーエキスの製造・販売で世界的大手。アジア市場での販売量も多い。
東洋新薬(本部・佐賀県鳥栖市)は3月2日、機能性食品素材に関する情報ウェブサイトを新たに開設した。葛の花エキス、フラバンジェノール、ターミナリアベリリカなど、同社の独自機能性食品素材を中心に、基本情報から技術情報まで幅広く伝える内容だ。各素材のエビデンスデータに関しては、これまでに発表してきた一部論文の全文を閲覧できるようにした。
国民の3人に1人が65歳以上となる超高齢社会が間近に迫るなか、認知機能を改善するなどの健康対策の取組みが様々な方面で進んでいる。健康食品業界では、イチョウ葉やDHA・EPAなどを機能性関与成分に、認知機能に対応する機能性表示食品の届出公開が300件を超える数に達している。一方で、消費者の側では、自身の認知対策についての意識が希薄な面もみられる。認知機能対策の重要性を訴求する取組みが求められそうだ。
シルク(絹)由来の健康食品素材に対する関心が中国でじわりと高まりつつあるようだ。昨年来、日本の取り扱い事業者への引き合いが増加傾向。現時点では一部企業からの引き合いにとどまるものの、同事業者は、今年から輸出を本格化したい考えだ。
カツオ由来エラスチンペプチドを製造・販売する林兼産業(山口県下関市)が、機能性表示食品の届出サポート活動を強化する。同素材で可能な機能表示(ヘルスクレーム)を拡充し、顧客の幅広いニーズに応えやすくする。年内の早い段階で、血管ケアと肌の弾力維持に関する機能表示を新たに実現したい考えだ。両機能とも、近く、同社として届出を行い、公開後、届出サポートを本格化する。
ファンケル(横浜市中区)の中国におけるサプリメント事業の本格展開が始まった。すでに昨年12月末から、中国・海南島の取引先が運営する店舗で、中国の中国国家市場監督管理総局に保健食品として認可された亜鉛のサプリメントの販売を始めている。亜鉛以外にもビタミンC、Eなどビタミン・ミネラル計5品目で保健食品の許可を得ている。店舗販売だけでなく、越境ECなど幅広い販売チャネルで市場開拓を推し進める。
大麦若葉の青汁を主力商材に業績を伸ばし続けてきた山本漢方製薬(愛知県小牧市)。コロナ下における訪日客の消滅でインバウンド需要は減少。業績に与えた影響は少なくないなか、国内での消費が盛り返しつつある。社名ブランディングなど様々なプロモーションを仕掛けてきた同社山本整社長が描く次の一手についてオンラインで聞いた。
カゴメ(愛知県名古屋市)は2月4日に開いた2020年12月期決算説明会で「野菜の力で『食と健康』領域での競争に勝ち残る」と宣言した。また、2025年長期ビジョンとして、「トマトの会社から野菜の会社」に転身し、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」ことをめざすとした。
キリンホールディングスは9日、子会社の協和発酵バイオ(東京都千代田区)で生産する、脳疾患の治療薬や認知機能の向上をサポートする素材として利用されている「シチコリン」の製造設備を増設すると発表した。主力生産拠点の山口事業所(山口県防府市)に約77億円を投じ、シチコリンの生産を拡大させる。新設備は2023年夏頃に稼働させる予定。
2018年にライフサイエンス事業への本格参入を発表していた第一工業製薬(京都市南区)と同社のグループ会社が、独自素材に認知機能改善作用が期待できることを確かめ、このほど論文発表した。現在、MCI(軽度認知障害)などを対象にしたヒト試験を国内で進めており、今後、機能性表示食品などとして応用開発し、人の認知機能をめぐる社会的課題の解決に貢献したい考えだ。原材料販売と最終製品販売の両面から、世界市場への普及を目指す。