イギリスの民間試験分析機関LGC社が運営するサプリメントの世界的なアンチ・ドーピング認証「インフォームドチョイス」を取得する動きが日本でも広がりを見せつつある。サプリメントの利用は必要不可欠である一方、選手生命に重大な影響を及ぼす「うっかりドーピング」のリスクを回避したいアスリートはもとより、厳格な品質管理が行われていることを一般消費者にアピールしたい考えもあるようだ。
福井県体育協会はこのほど、昨年10月の国体で県の自転車競技選手がドーピング違反で資格停止処分を受けたことを踏まえ、県の各競技団体に対し、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の認証を受けたサプリメント以外は摂取しないよう、新たに配置するスポーツ薬剤師を通じて指導する考えを明らかにした。反ドーピング認証団体はJADA以外も存在し、また、アスリートにとって今やサプリは不可欠なのが現状。福井県体育協会の方針は今後、関係者に波紋を広げそうだ。
大阪商工会議所が生鮮食品を中心にした機能性表示食品制度の改善要望を内閣府・規制改革推進室の「規制改革ホットライン」に寄せ、所管する消費者庁が要望の大半を退けていたことが分かった。大阪商工会議所は機能性表示食品の生鮮食品について、抗酸化力などの「総合力としての機能性の表示」を認めるよう要望。しかし同庁は、「一般的に食品全体に着目した『総合力』としての機能性の表示を認めることは困難」だと指摘したうえで、「対応不可」と回答した。
アントシアニンで規格化されるビルベリー抽出物の視機能改善作用に関するエビデンス。その現状を科学的に正しく評価しようと、業界関係者と外部の有識者の間で興味深い取り組みが先月、都内で行われた。5年ほど前、同様の試みが国の予算で実施されたが、今回改めて有識者が示した評価結果は、当時と比べてレベルが一つ高かった。それもそのはず、日本発の質の高い臨床試験論文が当時よりも増えている。
商品名の変更をめぐる機能性表示食品の届出撤回事例が見受けられる。届出受理後に他社が商標登録を出願していたことに気付くなどして、仕方なく撤回したものとみられる。届け出た商品名を変更する場合、新規の届出を行うようガイドラインでは求めている。機能性表示食品の届出にあたっては、商品名にも細心の注意を払っておく必要がありそうだ。
機能性表示食品制度を評価するかどうかについて、本紙が健康食品受託製造企業を対象にアンケートを実施したところ、「どちらともいえない」が過半数を占めた。制度は施行から3年目とまだ若く、運用が不安定なため、特に品質管理に関して重要な役割を担う受託製造企業も評価を決めかねている様子がうかがわれる。
㈱明治の「ザバス・ホエイプロテイン100」が、7月10日の「アマゾンプライムデー」で、注文数のトップにランクインした。アマゾン・ジャパンによると、プロテインがトップになるのは初めてだという。
女性ホルモン様作用のある植物性エストロゲンを天然に含み、バストアップを訴求する健康食品に配合される場合も多い、プエラリア・ミリフィカ(以下プエラリア)が物議を醸している。13日、国民生活センターが、ホルモンバランスが崩れるなど「思わぬ健康被害のおそれがある」とし、安易な摂取を控えるよう注意喚起を行ったからだ。厚生労働省も対応に乗り出した。「専ら非医薬品」に収載されているプエラリアの食薬区分の変更も含め、有識者に意見を求める考えを示している。