規制改革推進室がこのほど公開した規制改革推進会議「医療・介護ワーキング・グループ」(以下WG)の議事録(1月30日開催分)によれば、機能性表示食品制度に絡んだ食薬区分(46通知)の運用見直しについて厚生労働省と消費者庁は、専ら医薬品リストに掲載されている成分を機能性関与成分とする食品が届け出られても、医薬品とは見なさない場合の要件について、食品の形状は問わないとする前向きな考えを示した。消費者庁は、「サプリメントも含む」と述べたと記されている。
自民党の厚生労働部会(部会長・橋本岳衆議院議員)は5日、部会を開き、「食品衛生法等の一部を改正する法律案」(食衛法改正案)を了承した。これを受けて政府は、早ければ9日にも閣議決定。国会に提出する見通しだ。改正案のうち、健康食品に関係する「特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集」については、部会で特に意見は出されなかった。改正案は予算関連法案ではないため、4月頃に衆議院で審議がスタート。今次国会で成立する見込みだ。
15年ぶりとなる食品衛生法の大型改正をめぐり、厚生労働省が先月19日から募集していたパブリックコメントが7日、締め切られた。複数の団体が意見提出したことを明らかにし、内容を公表。健康食品に関する規制をめぐっては、過度にならないよう求める意見も上がる一方で、消費者団体などは規制範囲の拡大を求めている。
農林水産省は20日、「農林物資規格調査会」(JAS調査会)を開催し、昨年制定した改正JAS法に基づき、新たにウンシュウミカンのβ-クリプトキサンチンなどをJAS規格とすることを決定した。機能性成分のJAS規格化は初の事例。農産物の機能性に着目した品質基準の取り組みが活発化しそうだ。
健康志向の高まりを背景に、健康食品への注目度が一段と高まっているが、その販売チャネルの一つである小売業界は、少子高齢化や人口減少に伴い、大きく変化しつつある。経済産業省がこのほどまとめた2017年の商業動態統計でも、そうした状況が如実に垣間見える。
プエラリア・ミリフィカ(プエラリア)が窮地に立たされている。昨年7月、国民生活センターの注意喚起をきっかけに突如立ち上がった安全性問題以降、プエラリアを含む健康食品の販売を継続する意向を厚生労働省に示した企業が半数近く存在する一方で、含有するミロエストロールやデオキシミロエストロールといった女性ホルモン様作用を持つ活性成分の定量分析に対応できた企業は、少なくとも昨年11月末までに存在しなかった。厚労省では、これに対応できなければ販売中止を指導する方針。
経済産業省は1月30日、商業動態統計の2017年12月分速報を発表した。ドラッグストア(DgS)商品別のうち健康食品は、前年同月比4.2%増の179億円となり、通年では2060億円と2千億円台に到達。DgS全体の販売額も通年で前年比5.3%増の6兆295億円となり、初めて6兆円を突破した。
消費者庁の「第8回遺伝子組換え表示制度に関する検討会」(座長・湯川剛一郎東京海洋大学教授)が1月31日に開かれ、報告書案(たたき台)が示された。任意表示の「遺伝子組換えでない」を見直し、「意図せざる混入率」が検出限界(α%)以下のものに限り、同表示を可能とする方法に改める。検討会では2月中にも報告書をまとめる方針だ。
厚生労働省は1日、中国産蜂の子を輸入する全ての企業に対し、輸入届出ごとに全ロット検査を義務づける命令を食品衛生法に基づき行い、発表した。中国産蜂の子の輸入時の自主検査で、農薬に使われる抗生物質のオキシテトラサイクリンが相次いで検出されたことを受けた措置。
機能性表示食品制度の対象拡大に絡み、食薬区分の運用見直しに関わる審議を昨年11月に始めた規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループ(WG)は1月30日、2回目の会合を開き、所管する厚生労働省と消費者庁から回答を得た。両省庁で新たなスキームを構築し、個別判断のうえで、医薬品に該当しないと確認できれば、専ら医薬品リスト収載成分でも機能性関与成分として届出を可能にする。運用開始時期は未定だが、厚労省は「消費者庁と相談し、なるべく早く進めたい」としている。