2日午後に都内で開催された医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)主催の「健康食品フォーラム」で、消費者庁食品表示企画課の課長補佐が講演し、機能性表示食品制度は「事後チェック制」であることを改めて訴え、業界に注意を促した。この日のフォーラムは、「機能性表示食品は今後どうなるか?」のテーマで開催。多くの業界関係者が聴講に訪れた。
消費者間(CtoC)で商品取引できるフリーマーケットサイトやオークションサイトについて、東京都が医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する出品の監視強化に乗り出した。クラシファイドサイトも対象。取引の活発化に伴い、医薬品の無許可販売をはじめ、化粧品や健康食品など食品について、医薬品のような効能効果を標ぼうする表示が増えていることに対応する。サイト運営会社に対し、自主審査の強化も求める。
健康食品などについて合理的根拠なく著しい痩身効果を得られるかのように表示していたのは景品表示法違反にあたるとして、消費者庁は15日、大阪市北区の通販会社に対し、再発防止を求める措置命令と課徴金納付命令を同時に下し、発表した。違反行為として優良誤認の他に価格表示に関する有利誤認をそれぞれ認定。課徴金額は計2229万円に上る。処分された企業は明らかな虚偽表示を行いながら短期間のうちに大きく売り上げていた。
広告の「打消し表示」に対する包囲網が一段と狭まってきた。消費者庁は新たな実態調査を行い、7日に報告書を公表。昨年7月、今年5月に続く今回の報告書では、人の視線の動きから、どこをどれだけの時間見ているかを定量的に計測できるアイトラッキング機器を使った検証結果を報告。打消し表示を強調表示に隣接した場所に表示していたとしても、文字が小さく目立たない場合、消費者は打消し表示を見落とす場合が多い実態を科学的に明らかにしている。
13日に公布された改正食品衛生法。プエラリア・ミリフィカの健康被害問題が引き金となり、昨年の法改正懇談会の段階から議論が熱を帯びていた健康食品の安全性確保対策を巡っては、「特別の注意を要する成分等」(以下、指定成分)を含む食品について、企業からの健康被害情報の届出を義務化する条文が盛り込まれた。これにより、健康被害を未然に防ぐための行政の情報収集体制に法的・制度的基盤が構築される。所管する厚生労働省は今後どのようなルールをつくるのか。担当する医薬・生活衛生局食品基準審査課の関野秀人課長(=写真)に話を聞いた。
機能性表示食品とトクホ(特定保健用食品)の制度的〝すみ分け〟を消費者委員会が課題視していることが14日までに分かった。届出制と許可制で根本的な違いはあるが、消費者の理解は十分とは言えない。そのうえ、機能性表示食品の〝質〟向上を図る消費者庁の取組みが、トクホへのオーバーラップに拍車をかける。両制度を所管する消費者庁も消費者委と同じ問題意識を抱えており、「整理をつけたい」とする。今後、機能性表示食品制度と差別化したトクホ制度のあり方を模索していく方向だ。
健康食品による健康被害情報の収集などを盛り込んだ食衛法改正案(食品衛生法等の一部を改正する法律案)が、7日に衆議院で可決、成立し、13日に公布された。厚生労働省は必要な政省令を定めるための本格的な検討に入る。制度化されることになった健康食品の製造・品質管理の具体的なルール、健康被害情報の収集に係る指定成分の選定などが、今後の焦点となる見通しだ。また、営業許可業種の見直しや営業届出制度の創設も、健康食品業界に関係してくるものと思われる。
ホウレンソウの機能性表示食品が登場する。5月23日にあった機能性表示食品の届出情報更新で、消費者庁が届出を受理したことが分かった。ただ、分類は生鮮食品ではなくその他加工食品。冷凍加工するためとみられる。機能性関与成分はルテインで、届出者はジェイエーフーズみやざき(宮崎県西都市)。商品名は「宮崎育ちのほうれんそう」。
衆議院は5月31日、議員立法の反ドーピング法案を賛成多数で可決した。同法案は今後、参議院で審議され、今国会で成立する可能性が濃厚となった。一方、同月23日には競泳男子の古賀淳也選手(第一三共製薬所属)が、ドーピング検査で陽性を示したことが発表された。海外製サプリメントが原因との見方が出ている。反ドーピング法案の成立見通しや相次ぐ選手のドーピング違反を背景に、今後、食品・サプリメントの反ドーピング対策を巡る動きが活発化しそうだ。
現在販売中の特定保健用食品(トクホ)の製品情報公開が進むことになりそうだ。現状では一部製品の公開にとどまる国立健康・栄養研究所データベース(DB)の運用方法が改められる見通し。消費者庁のDBを通じて多くの情報が開示されている機能性表示食品と同様に、一般消費者を含めた第三者が製品情報を確認しやすくする狙いがあるようだ。