日本酒『美酒爛漫』で知られる秋田銘醸(秋田県湯沢市)が健康食品向け素材の製造を本格化させる。生産施設や設備を新たに設けて、米ぬかを原料にしたGABA粉末や酒粕粉末などを増産する計画。それに加え、機能性表示食品対応素材としても展開できるようにする。生産体制拡充と機能性表示制度対応の双方をテコに、原材料供給先を広げていきたい考えだ。食品産業活性化モデル育成事業を通じて秋田県も支援する。
新型コロナウイルス感染拡大はサプリメント・健康食品業界の慣習にも大きな変化を与えそうだ。新製品や注力製品を紹介する場として大切だった展示会が軒並み開催中止となったり、在宅勤務が広がったりしたことを受け、原材料事業者がアピールの場をインターネットに移している。この動きは受託製造事業者にも広がりそうな気配。第2波、第3波への警戒、防止対策が求められているなかで、業界のニューノーマル(新常態)として定着していく可能性がある。
国内健康食品受託製造最大手のアピ(岐阜県岐阜市)がサプリメント・健康食品のODMに関わる新たな取り組みを始める。顧客が想定する商品コンセプトを、エビデンスに基づき論理的に素早くかたちにする仕組みを構築。市場データも加味しながら最適な素材や成分の組み合わせ(処方)を提案できるようにした。新サービスとして顧客に提供していく。
ファーマフーズは6月4日、2020年7月期第3四半期決算を発表した。機能性素材事業におけるGABAの国内外での大幅な伸びに加え、OEM事業が拡大、さらに通販事業で扱う育毛剤が増収をけん引するなどし、売上高は対前年比41.2%増の111億1200万円を計上した。利益面では、第3四半期までに広告宣伝費を約60億円(前年同期は約43億円)投資したこともあり、経常損失は2億2500万円(前年同期は6800万円の経常損失)だったが、収益性は大幅に改善しているという。
大正製薬は今年度(2021年3月期)、国内セルフメディケーション(SM)事業の持続的成長を図るため、サプリメントや一般用医薬品など通信販売事業の拡充を目指す。前年度の国内SM事業の売上高はほぼ横ばいで推移。その中で通販事業の売上高は順調に伸長しているものの、いまのところ黒字化できていない。製品ラインナップを拡充するなどして通販事業収益の拡大を図る。
サプリメントのアンチドーピング認証を取得する動きが止まらない。サプリのアンチドーピング認証は、複数の民間認証が世界的に存在するが、日本では、信頼性や認知度などを背景に、英LGC社が手掛けるインフォームドチョイス(IC認証)一択となっていきそうな様子だ。6月8日までに、エーザイとハウスウェルネスフーズが新たに取得した。
池田糖化工業は、一般的なショウガにごく微量含まれる刺激成分の6‐パラドールを規格化したサプリメント向けの機能性原材料を開発、5月下旬から販売を始めた。パラドールの機能性として知られる、抗肥満作用や抗炎症作用などについて動物試験、臨床試験など今後研究を進めていく。将来的には機能性表示食品への展開も視野に入れる。
帝人グループのニュートラシューティカル製品販売会社「NOMON」(東京都千代田区)がNMN配合サプリメントの販売価格を大幅に引き下げた。新価格は従来価格の約6割引と、「価格破壊」とも言えそうな思い切った価格改定となっている。より購入しやすくすることでユーザー層を拡大する狙いだが、どうすればそこまで大幅に値下げできるのか。同社は「NMNの供給体制を強化し前年度の生産量の10倍以上の供給が可能」になったためだと説明している。
長瀬産業(東京都中央区)がスポーツニュートリション事業を国内外で本格化させる。グループ会社の林原やナガセケムテックスの他、昨年8月に買収した米プリノバ社らと連携し、原材料販売や最終製品の受託製造をグローバルに進める。
明治がスポーツ栄養事業の海外展開を本格化させる。まずは最注力地域と位置付ける中国において、ザバスブランドのホエイプロテインを今年9月までに市場投入する計画。3年後を目途に、中国でのスポーツ栄養事業の売上高として約30億円を目指す。同社が5月20日発表した。