健康食品ODM・OEMの東洋新薬(佐賀県鳥栖市)がオリジナル素材等の原材料販売を事業化させる。専門部署も新たに立ち上げた。「葛の花エキス」や「フラバンジェノール」をはじめとする同社の独自素材は、基幹事業のODM・OEMを拡大させる原動力の一つとなってきた。いわば「虎の子」を外部に広く販売していく狙いは何か。髙垣欣也副社長が5月1日、オンラインインタビューに応じた。
GABA(γ‐アミノ酪酸)で新たなヘルスクレームを行えることになりそうだ。機能性表示食品で採用件数の多い原材料「ファーマギャバ」を販売するファーマフーズ(京都市西京区)は5月11日、同素材を使った健常者120名対象の臨床試験の結果、認知機能の維持・改善が見られたと発表した。今後、同素材を使った認知機能を巡る機能性表示食品の「届出が可能」になるとしている。今回の臨床試験は三菱商事ライフサイエンス(東京都千代田区)と共同実施した。
ロート製薬(大阪府大阪市)とわかもと製薬(東京都中央区)が、包括的業務提携を結ぶことになった。両社の強みを生かしながら「開発から販売まで」におよぶ広範な分野での提携を目指す。わかもとが保有する乳酸菌を活用したOTC医薬品、健康食品の共同開発・販売などを主な提携分野としていく考えだ。
新型コロナウイルスの感染拡大は、サプリメント・健康食品に対する消費者ニーズにも変化を及ぼしているようだ。ビタミンDやプロポリス、乳酸菌の需要が伸びており、消費者は免疫機能の維持に関心を高めている様子。また、ビタミン・ミネラルといった栄養素に関連するサプリも売上が伸長しているようで、それを受けてか青汁の需要があらためて高まっているとの話も聞こえる。アフターコロナのサプリメント・健康食品市場は、以前と大きく様変わりする部分も出てくるかもしれない。
ジェネリック医薬品製造販売大手の東和薬品(大阪府門真市)が、植物由来成分を使った独自のサプリメントや健康食品の開発を目指す考えを4月7日、明らかにした。同社が注目した植物由来成分はタキシフォリン。国立循環器病研究センターと連携し、同成分の認知症予防効果に関する共同研究を進め、研究成果をサプリメントなど製品開発につなげたい考えだ。同社は2020年度を最終年度とする中期経営計画で「新たな健康関連事業」の創出に取り組んでいる。
ヒトミルクオリゴ糖(HMO)のパイオニアと言わる企業の買収手続きを進めていたDSMが4月13日までに買収を完了、発表した。HMOは、人の母乳、特に初乳に特有に含まれるとされるオリゴ糖の一種。日本のキリングループもヘルスサイエンス領域事業の成長戦略の一つに掲げている成分で、同グループによると、これまでに免疫賦活、腸管保護、プレバイオティクス、脳機能発達──などの機能性を持つ可能性が論文報告されている。
紫外線刺激から肌を保護する働きを訴求する機能性表示食品の販売が4月から始まっている。7日、明治が飲むタイプのヨーグルト1品を発売したのを皮切りに、15日には富士フイルムがサプリメントとドリンクの2品を発売した。現在のところ届出済み商品は同3品の他にグリコ栄養食品によるサプリ1品の計4品にとどまる。ただ、届出件数が増えていくことで美容食品市場に新たなカテゴリーが形成される可能性がある。
キユーピーが今年1月下旬に発売した機能性表示食品のサプリメント『ディアレ』の販売が好調に推移している。今月中旬までに約3万個の出荷を果たし、当初販売計画比120%の売れ行きを見せているという。同品は鼻の不快感軽減を訴求するもので、ヘルスクレームに「花粉」の文言を盛り込んだ初の保健機能食品。業界からも疑問視する声が上がっていたが、消費者は花粉対策食品を強く求めていることが窺われる。