消費者庁は10日、機能性表示食品の届出状況を更新、「ヒザ関節の動きの悩みを緩和する」機能を訴求するグルコサミンが関与成分のサプリメント、テアニンを関与成分とし「緊張感を軽減する機能」を訴求するサプリなど10商品の届出情報が公開された。
「機能性表示食品全体に不信感を抱かざるを得ない」。公開された届出情報を見て、消費者団体22団体、地方消費者連絡組織26団体で構成する全国消費者団体連絡会はそう捉えた。そこに加盟していない消費者団体でも、具体的な疑義情報を商品個別にまとめ、消費者庁に早々と提出した。なかなか進まない届出番号の交付を含め、機能性表示食品制度はスタート2カ月で揺れに揺れている。
機能性表示食品の届出準備を原料メーカーなどが着々と進めている。これまでに公開された届出情報の中には、特定保健用食品では申請も許可もされてこなかった機能性表示がいくつか届け出られているが、まだまだ増えそうな気配だ。蓄積してきたエビデンスがいよいよ消費者のために生かせると、各社がチャレンジしている。
機能性表示食品の届出情報公開はここしばらく毎週金曜日午後に行われていたが10日の週は無し。ゴールデンウィーク明けの8日金曜日に情報公開されたのも1商品のみと肩すかしにあった格好だが、表示しようとする機能性は「膝関節が気になる方に」、機能性関与成分はコラーゲンペプチドという届出内容に注目が集まった。いずれもこれまでの届出にはないものだった。
トクホに申請された飲料「蹴脂茶」の安全性を評価していた食品安全委員会は12日、同委・新開発食品専門調査会がまとめた「安全性を評価することはできない」との結論を了承、消費者庁に答申した。今後、消費者委員会新開発食品調査部会が引き続き審議する予定。同成分を機能性関与成分にした機能性表示食品の届出を消費者庁が受理したことに、消費者団体などから非難の声があがっており、同庁の対応が注目されている。
スタートしたばかりの機能性表示食品制度を巡っては、業界もしばらく混乱することが予想される。その中で、業界全体を正しい方向に導く役割を担うべき業界団体はどうあるべきなのか。新制度スタート後の業界団体のあり方をテーマに講演したこともある、エグゼグティブ会議の代表世話人を務める森下仁丹の駒村純一社長に聞いた。
特定保健用食品、栄養機能食品に続く第3の保健機能食品であり、科学的根拠に基づき、国の許認可ではなく企業や生産者の責任で食品の機能性を表示できる、機能性表示食品制度が1日、始まった。制度を所管する消費者庁は同日から届出受け付けを開始し、届出件数は6日午後3時現在80件を超えた。同庁では届出事項の確認を終え次第、届出者への届出番号の送付、同庁ウェブサイトで機能性や安全性などの届出情報を全面的に公開する。
新聞、テレビ、インターネット、雑誌が機能性表示食品をこぞって取り上げている。消費者認知度は今年3月中旬頃までの段階で1割を切るという調査結果も出ているが、その後も相次ぐ報道が認知度を押し上げている可能性がある。米ダイエタリーサプリメント市場拡大の背景には、マスコミの合従連衡が影響したという指摘もあり、機能性表示食品の販売スタート後に各メディアがどう取り上げていくかが注目される。
大阪商工会議所と大阪府主催の「食品の新たな機能性表示制度セミナー」が23日、大商で行われ、約700名が聴講に訪れた。主催関係者や参加者の予測に反し、ガイドラインが公表されない中での開催となったが、事前のアナウンス通り、消費者庁食品表示企画課の塩澤信良氏が登壇した。
セミナーではパネルディスカッションも行われた。参加者から事前に寄せられた新制度を巡る疑問に、塩澤氏が答える形式。約90分にわたり、事実上の質疑応答が繰り広げられた。