農林水産省は8月29日、2015年度概算要求の「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」で、14年度予算4億円から1億円増の5億円を要求した。漢方生薬などの原材料となる薬用作物の産地形成を促進するため、栽培技術の確立などを支援する。
「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の報告書が先月30日に公表されたが、新制度対応に向けた事業者の取り組みは依然、手探り状態を余儀無くされている。ただ、業績拡大の好機と捉えている企業はガイドラインのない中で暗中模索。原料事業者に対する文献収集の依頼が顕著に増加するなど、動きが慌ただしくなってきた。一方、販売会社と受託事業者にとっては、来年6月に施行される食品表示基準の製造所固有記号制度への対応も急務。「とりあえず機能性表示は様子見」という声も聞かれる。
食品の新たな機能性表示制度の大枠が固まったことを受け、まだまだ手探りながらも、具体性のある対応策が語られ始めた。最終製品や、日本独自原料の安全性・機能性評価で役割を果たすことになる臨床試験受託会社はどう思案しているのか。8日、都内で開催された第9回グルコサミン研究会・研修会に登壇した、食品臨床試験受託大手「TTC」の山本哲郎社長による講演をまとめた。
機能性表示の新制度発足や、医療機関のサプリメント販売の全面解禁など規制緩和の動きが具体化してきた。医療現場の受け止め方はどうか。医療ガバナンスが専門で、臨床医としても現場に立つ東京大学医科学研究所の上昌広特任教授に聞いた。(聞き手=本紙編集委員・小野貴史)
自民党統合医療推進議員連盟(会長・鴨下一郎衆議院議員、事務局長・水落敏栄参議院議員)は7月22日に開いた総会で、「今後の統合医療の推進方策および各省庁の予算要求に対する提言」を採択した。提言では、昨年8月に安倍晋三首相に提出された社会保障制度改革国民会議報告書に基づき、地域完結型の医療・介護サービス体制を構築するために「統合医療推進基本法(仮称)」の制定と担当事務局の設置、さらに関係省庁に予算確保を求めた。
食品の新たな機能性表示制度をめぐる消費者庁検討会の議論の過程では、業界代表委員がサプリメントの法制化の検討を求める場面も見られた。消費者庁が示す機能性表示のハードルは検討会を重ねるごとに高くなり、いかに表示できるかが問われていた局面で、なぜ法制化だったのか──。
健康食品受託事業者は新たな機能性表示制度をどのように受け止めているのか。健康産業流通新聞7月24日付号掲載の「健康食品受託事業者特集」で実施した受託事業者アンケートから探ってみた。
日本国内で2000万人を超える人が抱えているとされる「ドライアイ」を巡り、対応食品素材の開発や機能性研究が活発になっている。パソコンやスマートフォンの長時間使用に伴う眼の渇きサポートを明確に訴求する最終製品も登場。製品数が増えれば、アイケアサプリ市場の拡大につながりそうだ。
健康食品など食品の機能性表示制度を巡り、「医と食の境界は変わらない。食品で表示できる限界は特定保健用食品まで」との見解を消費者庁食品表示課長が示したことに、業界が揺れている。期待していた身体部位名を含む構造機能表示の実現に向けた雲行きがかなり怪しくなってきたからだ。