「お試し500円」などと通常価格よりも安く購入できると訴求している一方で、定期購入が条件であることが分かりづらく、その上で解約しづらい健康食品や化粧品の通信販売を巡り、消費者からの苦情・相談が増え続けている。国民生活センターは12月19日、商品注文時に契約内容や解条件をよく確認するよう消費者に注意喚起。加えて、消費者庁に対し、特定商取引法や景品表示法の規定に違反する事業者への法執行を行うよう要望した。
事業者の予見可能性の低さが問題視されてきた機能性表示食品の届出後規制(事後規制)が来年度、大きく改善に向かいそうだ。景品表示法や健康増進法の執行を担当する消費者庁表示対策課は今年8月以降、業界団体とも意見交換しながら、事後規制指針(事後チェック指針=仮称)の策定作業を進めてきた。年明け早々にも指針案に関するパブリックコメントを行う計画だ。来年3月31日までに策定・公表する。
8%から10%への消費税率引き上げの影響からか、10月のドラッグストア(DgS)における健康食品の販売額が前年同月比で4.4%の減少となった。通信販売による健康食品も10月は売上高が落ち込んだ。今後の消費動向が注視される。
健康食品による健康被害の未然防止を目的にした新たな食品安全規制、指定成分制度を巡るパブリックコメント(意見募集)が始まった。6月に公布された改正食品衛生法の規定に基づくもので、所管は厚生労働省。同省は意見募集を年明け早々に締め切り、早ければ来年2月に告示や省令を公布する予定。そして6月1日に制度を施行する。
食薬区分の「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質」(非医)リストが大幅に見直される。厚生労働省の監視指導・麻薬対策課は、識者の意見を踏まえ、非医リストに現在収載されている16に上る植物由来物を、「専ら医薬品として使用される成分本質」(専ら医)に区分変更する考え。現在流通中のものも複数含まれており、業界に影響に与えそうだ。
次回の食薬区分の一部改正で、専ら非医薬(非医)から専ら医薬品(専ら医)への区分変更が一斉に行われる見通しとなった。区分変更が予定されているのは植物由来物のみ10原材料にも上る。専ら医薬に移行されれば、食品としての販売は事実上不可能となる。区分変更される植物は今後さらに増える可能性もあり、注視が必要だ。
「牛丼の具」を特定保健用食品(トクホ)にしようとする動きが進んでいる。表示許可を求める保健の用途は、「食事から摂取した糖の吸収を減らし、食後血糖値の上昇をゆるやかにする」。同様の働きを訴求する牛丼の具が、機能性表示食品として既に届け出されている。企業責任の機能性表示食品では不十分と見て、国のお墨付きを得ようしている様子だ。