新型コロナウイルスなどウイルス感染予防効果を根拠なく不当に表示する製品に対し、消費者庁表示対策課が厳しい監視の目を注ぎ続けている。一般消費者が「感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する」狙いがある。新型コロナ禍が終息するまで監視の目が緩むことはなさそうだ。
健康食品に関する消費者からの「危害情報」が激増している。2019年度は3911件と4000件に迫る数字となった。前年度比は2倍を超える。10年前は500件未満にとどまっていたものが、ここまで増えるのは何故か。悪質な定期購入商法が背景に横たわっている可能性が高い。
消費者庁が特定商取引法改正に向けた法案の作成に着手する。増え続ける定期購入トラブル相談や、高齢者などを狙った悪質商法、悪質事業者からの消費者被害を未然に防ぐため、罰則規定を含めた特商法の規制を強化する考えだ。
輸入されたCBD(カンナビジオール)オイルから、大麻成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)がまた検出された。厚生労働省が行った製品分析で判明したもので、同省が7月28日に発表、販売者名、製品名などを明らかにした。同省は今年2月にも同様の発表をしていた。
消費者庁の「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」は7月28日の会合で、特商法改正に向けた検討会報告書骨子案を取りまとめた。社会問題化している健康食品や化粧品などの「詐欺的な定期購入商法」への規制強化を図り、法執行を強化するなど「抜本的な措置」を検討する方向。今後の会合で報告書を取りまとめ、同庁が来年の通常国会に法改正案を提出する。
消費者委員会は7月20日、特定保健用食品の表示許可について消費者庁から諮問された「ヘルシア サッと健膳 プレーン」(申請者=花王)など4件について、同委新開発食品調査部会で審議した結果、トクホと認めることとして差し支えないとの結論を同庁に答申した。今後同庁でトクホ許可に向けた手続きが行われる。
サプリメント形状の健康食品を摂取している日本人は、女性28.3%、男性21.7%に上ることが、国が昨年実施した22万世帯対象の基幹統計調査で明らかになった。性別・年齢階級別の摂取割合を見ると、最も多かったのは、女性だと「50~59歳」の37.7%、男性は「60~69歳」の28.1%。ほとんど全ての年齢階級で女性の方が男性よりも摂取割合が高く、40歳以上79歳までの各年齢層で30%を超えた。女性の「30~39歳」は28.7%と30%に近かった。
埼玉県が県内の高校生、大学生と連携した不当表示広告調査を進めている。消費者教育の一環として取り組んでいるものだが、これを端緒にした行政処分の事例も出ている。若者が調査に当たるだけに、スマートフォン、パソコンに監視の目が集中する。
機能性表示食品に対する消費者認知が1年間でさほど上昇していないことが、消費者庁が実施し先月24日に結果を公開した「令和元年度食品表示に関する消費者意向調査」で分かった。機能性表示食品を「どのようなものか知っている」と答えた人は18%にとどまり、前年度調査とほぼ同じ水準だった。ただ、「聞いたこともなく、どのようなものか知らない」は15.8%と前年度調査から2ポイント減少した。引き続き地道な普及啓発が求められそうだ。
消費者庁に7月1日、「ヘルスケア表示指導室」が新設された。景品表示法などを所管する表示対策課内に置かれたもの。機能性表示食品など保健機能食品、一般健康食品のいわゆるヘルスケア領域食品を中心に、表示・広告に関する指導、監視を手掛ける。表示の健全化に向けて取り組む業界団体の相談窓口としても機能させる。