犬や猫向けのサプリメントを「がんが治る」などと医薬品のように販売していた健康食品販売会社、グッドライフデザイン(横浜市旭区)の社長に対し大阪府警は10月29日、医薬品医療機器等法違反の疑いで逮捕したと複数のメディアが報じた。動物用医薬品を管轄する農林水産省では、「海外の商品で医薬品成分が混入したことはあったが、今回の違反はまれなケースでは」(畜水産安全管理課薬事監視指導班)としている。
厚生労働省がフレイル(高齢者の虚弱)対策に乗り出す。同省は省内の検討会の議論を踏まえ、9月19日付けで、後期高齢者(75歳以上)健診における質問票を、フレイル対策の観点から見直したことを、保険局高齢者医療課長名で、各都道府県や関係団体などに通知した。フレイルに対する自治体や医療機関の取り組みが活発化することになる。健康食品・サプリメント分野にもこれらのニーズに対応した商品展開が求められてきそうだ。
国民生活センターが8月1日公表した錠剤・カプセル状健康食品の品質テスト(錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査)結果報告書。健康食品業界はどのような姿勢で臨むべきなのか。業界を代表する業界団体、健康食品産業協議会と日本健康・栄養食品協会がそれぞれ見解を示したが、両団体の捉え方は大きく食い違う。業界対応のちぐはぐさが際立つことになった。
健康食品の摂取によって下痢など消化器障害を大半とする健康被害情報が急増しているとして、消費者庁が9月6日、当該商品の名称や販売者名を公表した問題が波紋を呼んでいる。当該商品に配合された原材料名からはそうした健康被害が起こるとは考えづらく、製造・品質管理に課題があった可能性も憶測されている。健康食品GMP認定工場で製造されていたことが、事態をより一層複雑にしている。
健康食品による健康被害を巡る消費者・事業者間の紛争の結果、因果関係は明確ではないものの、事業者側が300万円を支払うことで和解する事案が最近発生していたことが、国民生活センターが9月18日公表したADR(裁判外紛争解決手続)関連資料で分かった。肝機能障害などの健康被害を訴え、和解の仲介を国センに求めた消費者は当初、事業者に対して計4200万円もの支払いを請求していた。
国民生活センターが今月1日に結果公表した「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」。崩壊試験の結果を強く問題視する向きがある一方で、むしろ、成分含量の調査結果をより重大視する見方が出ている。安全性に関するリスクに直結する可能性があるためだ。調査の結果、表示値の倍量を超える機能性成分を含む製品があった。成分含量を巡っては昨今、下限値担保の徹底が強く意識されている。しかし、上限値への気配りはどうか。
国民生活センターが8月8日公表した2018年度の商品・サービスなどに関する危害・危険情報のまとめで、2年度連続で危害情報の件数トップだった健康食品は、前年度から58件減少した。ただ、件数は1793件と全体の16%余りを占め、2位にとどまった。変わってトップになったのは化粧品。件数は前年度から235件増えて1819件に上った。まつ毛美容液に関する危害情報が増加したという。
経済産業省が8月30日に発表した商業動態統計7月分速報値で、ドラッグストア(DgS)での健康食品販売額が、前年同月比3.9%減とここ2年で初のマイナスを記録した。同省では、減少の原因として、天候不順による熱中症対策飲料の販売伸び悩みを挙げている。