機能性表示食品として届け出られた、機能性の科学的根拠の検証を消費者庁が始める。検証対象は10月31日までに届出のあった研究レビュー(システマティックレビュー)の全て。民間に事業委託し、来年3月末までに検証結果を取りまとめる。目的は、機能性表示食品制度を「より適正に運用していくための課題を抽出」しつつ、「研究レビューの質を高める方策等の検討を行う」ためだとしている。
冷え改善効果を間接的に訴求する機能性表示食品の届出情報を消費者庁が9日、公開した。モノグルコシルヘスペリジンを機能性関与成分とするもので、届け出たのは伊藤園。同成分を添加した茶系飲料2品目について「気温や室内温度が低い時などの健やかな血流(末梢血流)を保ち、体温(末梢体温)を維持する機能があることが報告されています」と表示する。
特定商取引法の改正に向けた消費者委員会の検討が後半戦に入った。10月26日、同委の特定商取引法専門調査会(後藤巻則座長・早稲田大学大学院法務研究科教授)が2カ月ぶりに再開。今後の論点を7点に絞ることを決めたほか、11月6日には美容医療契約を同法の適用対象とし、対象の範囲について施術ごとに具体例を示す方向で議論を進めていくことにした。
特定保健用食品(トクホ)を含む健康食品全般の表示広告や、トクホの制度や運用のあり方について検討する、消費者委員会の「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」(寺本民生座長・帝京大学臨床研究センター長)が5日に開催され、トクホを含む健康食品の表示・広告について議論した。
東京都福祉保健局は10月29日、都民の健康や医療に関する意識の把握を目的に毎年実施している「平成26年度東京都福祉保健基礎調査」の概要を発表した。このなかで、健康食品を使用したことがある人の割合は約6割、使用きっかけは「健康の維持が必要と考えた」が約4割、「テレビ・新聞等で広告を見てよさそうだと思ったため」が2割弱と続き、「病気の予防や治療のため」も1割強いた。一方、健康食品使用で体の不調を感じたことがある人は利用者の4%、93%は「体の不調を感じたことはない」と答えた。
食品安全委員会の「いわゆる『健康食品』に関する検討ワーキンググループ」(脇昌子座長・静岡市立静岡病院副院長)は19日、健康食品の安全利用を促す消費者向けのメッセージ(『健康食品』に関するメッセージ)案を議論した。メッセージ案は健康食品の安全性、利用者の状態や利用目的、情報に関するものなど全部で19項目に整理。これらを踏まえ健康食品と上手に付き合うための6つのポイントをまとめてある。
政府は20日、日米など12カ国が今月5日に大筋合意した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の全容を公表した。輸出入する全9018品目のうち8575品目の関税を撤廃、撤廃率は95%に上る。発効後即時撤廃は半数の51.3%。関税を残すのはコメや牛・豚肉、乳製品などの重要5項目に位置づけたもの、雑豆、こんにゃく、しいたけ、海藻など農産物443品目となる。
消費者庁は19日、来春施行予定の課徴金制度導入を含む改正景品表示法の関係政令の整備に関する政令案をまとめた。同政令案は課徴金納付命令を定めた同法8条1項の「売上額」の算定方法や、消費者被害回復のため事業者が所定の手続に沿って自主返金を行う場合の「購入額」算定方法などを定めたもの。