沖縄・与那国島で栽培されている長命草(ボタンボウフウ)の抗肥満作用(動物試験)を論文報告していた琉球大学熱帯生物圏研究センターの屋宏典教授ら研究チームがこのほど、その関与成分はクマリン化合物の一種、「プテリキシン」であることを突き止めた。脂肪細胞や肝臓細胞での中性脂肪の合成を抑制するとともに、筋肉細胞では脂肪燃焼の促進に働き、体脂肪の蓄積を抑制する作用を同成分が持つことを確認した。
アーカー・バイオマリン・アンタークティック(ノルウェー)が供給するクリルオイル「スパーバ」の摂取による血中脂質低下作用を検証する大規模臨床試験が海外で実施され、摂取群では血中中性脂肪(TG)が10.2%低下し、プラセボに比べて有意な減少が認められた。TG値が境界高値あるいは高値の300名を被験者にした臨床試験により確認されたもので、栄養学専門誌「ニュートリション・リサーチ」の今年2月号に論文発表された。
丸善製薬㈱(広島県尾道市)が製造販売している健康食品原料ハス胚芽エキスに、変形性膝関節症と関節リウマチの双方の症状を緩和させる可能性のあることが、それぞれの自然発症モデル動物に対する経口投与試験で確認された。コラーゲン産生促進作用などが期待できる美容食品素材として主に提案されてきた素材であり、関節痛への機能性が確認されたのは初。骨粗しょう症予防作用が以前からヒト試験で示されていることもあり、ロコモティブシンドローム対応素材としても配合提案を強めていく。
サッポロビール㈱(東京都渋谷区)と京都大学・笹岡紀男教授ら研究グループは1月30日、ホップ抽出物にアルツハイマー病の発症を抑える効果があることを、モデルマウスを用いた試験で明らかにしたと発表した。同研究結果を受けサッポロビールでは、同エキスを含有する商品の開発・上市に取り組むという。
ガン患者を対象としたアガリクス・ブラゼイ・ムリル摂取によるQOL改善効果の研究成果が、米国の補完代替医療の学術誌「complementary therpies in medicine」に論文掲載された。同研究は、厚生労働省がん研究助成金を用いた公的研究「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」として、四国がんセンター、金沢大学付属病院が実施、報告書としてまとめたもの。
特許製法により圧力と温度を加えることで、高麗人参(紅参)に特有の有効成分「ジンセノサイド」の含有量を高めると同時に、人参に独特の苦みや匂いを改善させたという韓国発の差別化紅参原料「膨化紅参」。しばらく前から日本でも市場提案が進められていた素材だが、ここにきて配合製品の市場投入が決定した。
5‐アミノレブリン酸(ALA)に、急性腎障害保護作用のあることが確認され、その研究論文が米国科学誌「PLoS ONE」で発表された。論文は高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科学の寺田典生教授らがまとめたもので、研究にはALAを利用した健康食品や医薬品などの研究・開発を手がけるSBIファーマ㈱(東京都港区)も参加していた。
シャンピニオンエキスをリコムが開発したのは1980年代前半。その後しばらくは動きの鈍い時期が続いたものの、94年に乳業メーカー大手が同素材を配合した茶系飲料を発売。これが臭いを気にする若い女性のニーズを掴み、ヒット商品化したことで、配合製品の市場投入が相次いだ。
和歌山県北山村原産で、香酸柑橘類の一種「じゃばら」の果皮粉末を供給する㈱ジャバラ・ラボラトリーでは、販売総代理店の日本バルク薬品㈱とともに、健食市場への提案を強化する。今年からは、じゃばらの収穫を1カ月ほど早め、11月の初めに開始した。成分分析により、花粉症などのⅠ型アレルギー抑制作用があるとされるフラボノイド「ナリルチン」を多く含んでいることがわかったためだ。来春の花粉シーズンに向け、ナリルチン高含有のアレルギー対応素材として打ち出し、販売ルートの拡大を進め、健食市場での存在感を高める方針だ。
消臭素材の拡販を高齢者向け食品で図ろうとする動きが見られる。とりわけ注目されているのは病院や介護施設で利用される食品。入院患者の栄養補給を目的にした経腸栄養剤など食品や食事に配合することで、同時に便臭を抑えようというものだ。