今年度末の来年3月を期限とする、消費者庁の委託調査事業などの公募が数を増している。今月に入り公募を開始したのは、「食品表示に関する消費者意識調査事業」「事業者における個人情報の提供等実態調査」「特定商取引にかかる被害実態の分析調査および条例調査」「事業者の消費者志向に関する調査」など。これ以外にも、来年3月上旬以降に東京・大阪・名古屋で開催する「『いわゆる健康食品』に関するリスクコミュニケーションの運営業務」の公募も開始した。
国民生活センターは「消費者問題に関する2014年の10大項目」を選定した。毎年、社会的に注目された消費者問題や、相談が多かったものの中から同センターが選定、公表しているもので、今年は相談や被害者数が増えている高齢者被害のほか、公的機関を名乗る詐欺的勧誘、食品の安全性に関する相談を挙げた。
食品安全委員会のワーキンググループは17日、高濃度にジアシルグリセロールを含む食品(DAG油=「エコナ油」)の安全性評価案をまとめた。DAG油は販売が中止されており、現状では国民が暴露する可能性はなく、さらなるデータ入手が難しいことなどから、DAG油について暴露評価を行うことができず、リスク評価を完結することはできなかったとした。
消費者委員会は9日、内閣総理大臣から諮問のあった食品の新たな機能性表示制度の食品表示基準案を審議し、「諮問案のとおりとすることが適当」と答申した。2日にも審議していたが、複数の委員が制度の脆弱性を強く指摘したため答申を見送っていた。再審議の上でまとめられた答申書では、諮問案を了承する前提条件として9項目の実施を要求。違法に機能性表示を行う事業者に対して行政処分を行える権限などの法的基盤を「制度実施後すみやかに補強・整備すること」などを求めた。
消費者庁の川口康裕次長(=写真)は2日、機能性表示制度の実施に向けた今後のスケジュールについて、ガイドラインの発出は来年1月になる予定だと都内で行った講演の中で明らかにした。その発出時期について同庁はこれまで、「出来るだけ早く」などと語るに止めていた。
厚生労働省は9日、「平成25年国民健康・栄養調査」結果(概要)を発表した。男性の「肥満」(BMI25以上)割合は28.6%と、前年(29.1%)比でほぼ横ばいだが、40代では34.9%、50代も31.1%と、およそ3人に1人が「肥満」という結果だった。一方、女性は「やせ」(BMI18.5以下)が12.3%と、前年(11.4%)よりやや増加。過去10年間でも増加傾向にある。特に20代で21.5%、30代で17.6%と、若年層の「やせ」が相変わらず高い結果となった。
東京都生活文化局が都民500名を対象に実施したインターネット調査で、健康食品の利用状況やイメージが、2003年の前回調査時と比べて低下していることが分かった。現在利用している人は44%と10ポイント悪化し、逆に、広告などの情報に「信用できない表現が多い」と思っている人は62%と5ポイント増加した。
東京都は9日、「平成26年度健康食品取扱事業者講習会」を都内で開催し、健康食品関係事業者など約950名が集まった。都の担当者による健康食品に係る法令解説のほか、違反事例の紹介などが行われた。
和泉洋人・内閣総理大臣補佐官は2日、都内で開かれたカンファレンス「食品の機能性表示制度」(主催・日経ヘルス、後援協力・日本抗加齢協会)で「生活習慣病対策には食品と加工食品の適切な普及が求められる」と訴えた。
農林水産省は、来春創設の食品の新たな機能性表示制度(機能性表示食品〈仮称〉)で実現する、農林水産物の機能性表示に向けた知見収集に乗り出す。今年度の農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「緊急対応研究課題」を活用し、実現可能性が高いコメ(γ‐アミノ酪酸=GABA)、温州ミカン(βクリプトキサンチン)、緑茶(メチル化カテキン)、鶏肉(イミダゾールジペプチド)の4品目4成分について、機能性表示の必須要件であるシステマティックレビュー(SR)などを実施、農産物の機能性表示を早期に実現させる。