第7回「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」では、食事摂取基準が定められている成分は新表示制度の対象外だとする案を出している消費者庁食品表示企画課が、反対意見に対して強硬姿勢で迎え撃つ場面も見られた。ただ、対象外とする理由について、「ビタミン・ミネラル類は危ない」とも受け取れる発言をしており、今後、尾を引く可能性もありそうだ。
2013年度(13年4月~14年3月)に不当表示など景品表示法違反で国が措置命令を行った件数が45件だったことが、このほど消費者庁が取りまとめた「平成25年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」で明らかになった。前年度に比べ8件の増加で、このうち17件は、今年3月に二酸化塩素を利用した空間除菌グッズの効果に関する不当表示の再発防止などを命じる措置命令であった。
経済産業省が6月27日に発表した5月の専門量販店販売統計調査結果(速報)によると、ドラッグストア(1万3072店舗)の販売額は3808億円で、前月確報比7.3%(258億円)の増加だった。この調査は今年から開始されたため、前年同月比較はできない。
消費者委員会の食品ワーキンググループ(WG)は、今後の検討課題に特定保健用食品(トクホ)を加えることを決めた。まずは問題整理から始める。同委の新開発食品調査部会からトクホ制度の運用について問題提起が同委にあり、6月24日の委員間打ち合わせで同WGで取り上げるよう要請があったという。
消費者庁は、食品表示法に基づく新たな食品表示基準案をまとめた。消費者委員会での検討内容を反映して策定したもので、加工食品の栄養成分表示では、現行基準の一般表示事項であるエネルギーやたんぱく質など5項目の義務化や、任意表示に新たに推奨という区分を設け、飽和脂肪酸と食物繊維を対象にする。加工食品では、製造所固有記号制度を見直し、2つ以上の製造所で製造する商品に使用を限るほか、消費者の求めなどに応じ製造所所在情報の提供を義務付ける。
食品安全委員会は17日、㈱資生堂が特定保健用食品(トクホ)申請し、消費者庁が安全性審査を依頼(諮問)していた「素肌ウォーター」について、「提出された資料に基づく限りにおいて、安全性に問題はないと判断した」との評価書をまとめた。同委は即日同庁に答申し、同商品の審査は消費者委員会に移った。消費者委で認められれば、同庁はトクホ許可に向けた手続きに入る。
政府は17日、2014年版「消費者白書」を閣議決定した。スマートフォンやタブレットの普及により利用が伸びているインターネットなどの通信販売による消費者トラブルが大幅に増加していることを取り上げた。また、昨年相次いだ一部のホテル、百貨店の食品偽装表示や、冷凍食品の農薬混入事件などの食をめぐる問題では、景品表示法を改正し執行体制の強化を進めていることや、同法に課徴金制度を導入するための検討を進めているなどの対応状況について紹介した。
政府の規制改革会議は13日、「規制改革に関する第2次答申」をまとめ、安倍晋三首相に提出した。産業競争力や質の高いサービスの実現などの「成長戦略」と、利用者視点に立った仕組みの構築などの「国民の選択肢拡大」に重点を置いた。最優先案件にはいわゆる混合診療の拡大につながる「患者申出療養(仮称)」の創設や、休耕地の活用を促し農業の成長産業化を進める「農地中間管理機構」の創設など農地関連規制の見直しを掲げた。政府は今月中にも成長戦略及び規制改革実施計画として閣議決定する予定だ。
政府は2014年版「高齢社会白書」を閣議決定した。65歳以上の高齢者人口が総人口の25.1%に達し、一方で、現役世代とされる生産年齢人口(15~64歳)は32年ぶりに8000万人を下回るなど、高齢化率は高まりつつある。少子化の影響もあり、将来予測では2060年に高齢者1人をわずか1.3人の現役世代で支えることになるとしている。
消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」(松澤佑次座長・大阪大学名誉教授)が5月30日に開催され、前回に続き機能性の表示の要件などが議論された。同庁案をたたき台に議論が進められたが、特に活発に議論されたのが同庁対応方針案の対象成分と機能性表示の範囲について。成分の測定ができないエキスなどが対象にならない可能性が浮上したことや、身体の部位表示に同庁から難色が示されたことに産業界の委員が反発。制度の根幹に関わる部分であるため、突っ込んだやり取りとなった。